ポンド急落は何を意味するのか? 今夜の雇用統計のポイントは?

著者:平野朋之
投稿:2016/10/07 11:26

■昨年の10本連続陽線後の流れは?


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■昨日は、新規失業保険申請件数が歴史的な低水準となったことを受けて、約1ヵ月ぶりの104円台まで上昇しました。
しかしその後は、本日の雇用統計を控えてポジション調整の売りに押され103円台後半で終了しています。

また、原油価格もOPECの事実上減産合意や米原油在庫が5週連続減少したことを背景に約3ヶ月ぶりの50ドルを付けたことでリスク選好に拍車がかかっています。


■本日の東京タイムが始まる前に英ポンドが6%の急落したことで、金融市場が全体的に意気消沈しているようにみえます。
この急落はOPからみの誤発注との噂もありますが、国民投票から3ヶ月強経過し、比較的落ち着きを取り戻しているような経済状況や指標をみれば、市場はポンドに対して神経質になっており、このことがわずか数分間で作ってしまったことは確かです。


■これまで原油高・株高で活況が出始めたところに水を差す「ポンド急落」は一体、何を意味するのか?
まるで、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」と言わんばかりの事件的な急落は、今後のイベントを控えてのけん制ともいえる値動きにも思えます。

本日は一時的な動きだったものの、あれだけ世界を騒がせた英国民投票がいとも簡単に終息するはずがないと印象さえ思ってしまいます・・・。
今後もポンドを売買する際は、神経質な動きに振り回される可能性がありますので、注意は必要です。


■今夜は雇用統計です。
最近の景気指数関連を見れば、想定外数値は出ないと予想しています。

しかし、ADPの結果が不調だっただけに油断は禁物です。また、平均時給にも目を向けてしっかりとリスク管理をしたトレードを行っていただきたいと思います。


■ドル円のチャートを見れば8本連続の陽線継続です。
これは、2014年7月31日以来のことです。ちなみにこの時は10本連続陽線でした。価格変動としては、101.15円から102.78円でした。その後は101.50円まで下落しています。

ここまでの上昇要因がテクニカルや円買いのポジション調整というのであれば、この先の上昇を予想するのであれば、今夜の雇用統計が余程、好調な結果が出ない限り売られやすい地合いだと思っています。

まして、今朝のポンドショックでリスク選好の熱は、一旦消されたのは否めないです。最近の流れを考慮すれば、「噂で買って事実で売る」パターンになるかもしれないので、「買い」は注意が必要だと思っています。

■本日のポイントとしては、

・雇用統計の結果
・ポンドショックの経過
・8連騰に対する売られやすい地合い

■テクニカル的には短期的に買いとみている向きが強いようです。しかし、そこに落とし穴が潜んでいる可能性もあるので、いつも以上にリスク管理をしていただき、今夜のトレードに臨んでいただきたいと思います。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想