期待先行だが、ハードルはそれほど高くない…?

著者:武市佳史
投稿:2016/10/07 10:55

◆104円到達 - ドル円

※ご注意:予想期間は10月8日と表示されていますが、本日(10月7日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


4週平均では(※※)1973年11月以来となる24.9万件を記録した新規失業保険申請件数で米金利先高観は一段と強まり、ドル買いはさらに強まりました。
特に対ポンドでのドル買いが加速しており、ドル円は“100日移動平均線(昨日は103.681円)”を突破、104円台に到達しています。
その後はビッグイベントを控えた利益確定売り+今朝方のポンドドル乱高下に伴った様子見から反落していますが、米雇用統計に向けた楽観論はさらに勢いを増している感があります。

◆本日は米雇用統計!期待先行だが、ハードルはそれほど高くない…?

その米雇用統計、事前予想は非農業部門雇用者数+17.2万人、失業率4.9%、時間当たり平均賃金+0.3%が見込まれています。
前哨戦の一つであるADP雇用統計(+15.4万人)を考えると“楽観論がやや膨らみ過ぎ”のきらいは否めませんが、ISM非製造業景況指数の構成項目である雇用指数(50.7⇒57.2)は急改善していました。
ハードルはそれほど高いとは思えず、“やや右肩上がりの変則ダブルボトム(8/16安値-9/27安値)”も“9/2高値(104.316円)”超えで完成するという、テクニカル的な期待感も存在します。

◆もちろん失望ドル売り&利益確定売りには、注意が必要だが…

8連騰による過熱感(上昇往き過ぎ感)を考えると、弱い結果ともなれば失望のドル売りが膨らむ可能性は否定できないところです。
また日米3連休を控えた週末でもありますので、好内容であっても引け間際にポジション調整(利益確定売り)が入る可能性も考えておかなければなりません。
それでも“100日移動平均線(本日は103.620円)”~“日足・一目均衡表先行スパン上限(同103.189円)”に“分厚い”ドル買いオーダーが“断続的”に並んでいるという、オーダー状況の後押しもあります。

反落リスクは頭の片隅に残しつつも、105円ラインはもう目前…。
もちろん結果次第ではありますが、もう一段の上値ブレイクは十分期待できる局面と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

注:ビッグイベントに伴う急変動の可能性を鑑み、いつもより掲載幅を広げています。

106.645(7/27高値)
105.579(7/29高値)
105.126(ピボットハイブレイクアウト)
上値5:105.000(大台)
上値4:104.646(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:104.439(7/21~8/16の61.8%戻し)
上値2:104.316(9/2高値、ピボット1stレジスタンス)
上値1:104.166(10/6高値)
前営業日終値:103.952
下値1:103.620(100日移動平均線)
下値2:103.472(ピボット1stサポート)
下値3:103.339(10/6安値、20週移動平均線)
下値4:103.189(日足・一目均衡表先行スパン上限)
下値5:103.000(大台、ピボット2ndサポート)
102.656(10/5安値、9/27~10/6の38.2%押し、ピボットローブレイクアウト)
102.423(75日移動平均線)
102.335(日足・一目均衡表先行スパン下限)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:11 ドル円 抵抗・支持ライン追加
17:53 ※※部分が抜けていたので追記
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想