急反落リスク孕むも、ドル売りの論拠は萎んだ…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/10/06 10:37

◆円安/ドル高の相乗効果 - 最後の砦も突破

※ご注意:予想期間は10月7日と表示されていますが、本日(10月6日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


昨日もドル売り・円買いの巻き戻しは続きました。

リスク選好姿勢にて円が全面安の様相を見せる中、米早期利上げ観測を背景にドルの買い圧力も高まったからです。
ADP雇用統計が+15.4万人に留まったことで緩む場面もありましたが、2015年10月以来の57.1へと改善したISM非製造業景況指数(PMI)を機に、さらに上値を伸ばしました。
原油は50ドルに迫り、NYダウは100ドル超の上昇、そして米10年国債利回りが1.72%台を回復する中、ドル円は103.67円水準へと上値を伸ばしました。

◆急反落のリスク孕むのは事実だが…?

“75日移動平均線(102.424円)”に続き、“日足・一目均衡表先行スパン上限(103.189円)”も突破したことで、ドル売りの論拠は急速に萎んだといえます。
しかし思惑というものはそう簡単に転換できるものではなく、“良くて様子見”、そうでなければ“上昇往き過ぎor上値達成感を囃した戻り売り”になりがちです。

もちろん上昇スピードがやや速い感は否めず、押しのない上昇も急反落のリスクを孕んでいるのは事実です。
このため楽観はできませんが、それでもドイツ銀行懸念等を背景に膨らんだ円買いポジションが、今回の動きで全て解消されたとは想定しづらいところです。

◆次の目標“100日移動平均線”を突破すると…!?

ホップ(ISM製造業PMI)/ステップ(ISM非製造業PMI)で上昇してきたドル円。
ジャンプ(週末の米雇用統計)につながるかは現時点では不明ですが、ドル売りを囃す向きが“足掻く”可能性を考えると、その分だけ上値がさらに拡大する可能性はあると考えます。

次の目標と見られるのは“100日移動平均線(本日は103.681円)”。
ここを突破すると、いよいよ105円が見えてくる…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:104.316(9/2高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:104.122(9/5高値)
上値3:104.000(大台、ピボット1stレジスタンス)
上値2:103.797(9/6高値)
上値1:103.663(10/5高値、100日移動平均線)
前営業日終値:103.525
下値1:103.304(20週移動平均線)
下値2:103.189(日足・一目均衡表先行スパン上限)
下値3:103.000(大台、ピボット1stサポート)
下値4:102.816(9/27~10/5の23.6%押し)
下値5:102.656(10/5安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:11 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想