“戻りの急所”をこなせるか…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/10/04 10:57

◆欲しかったポジティブ材料 - ドル円さらに上昇

※ご注意:予想期間は10月4日と表示されていますが、本日(10月5日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


リスク回避姿勢が“緩む”中、欲しかった“もう一段のポジティブ材料”が現れました。
注目のISM製造業景況指数(PMI)は事前予想を上回り、好況・不況の境目である50をも大きく超えてきました(51.5)。
年内利上げ観測を加速させるには至らないものの、サポート要因にはなったのは事実であり、ドル円は101円後半へと上昇、そして東京タイムに入って102円ラインに到達しました。

◆ここから上は“もう一つ”ポジティブが欲しい…?

“20日移動平均線(本日は101.555円)”を終値ベースで上回り、現在は“50日移動平均線(同101.709円)”をも超えてきています。
また先月はこのISM製造業PMIの50割れをキッカケに米経済指標が次々と悪化、「米景気回復に陰り」との見方が台頭した経緯を持っているだけに、今月は“その逆”への期待感が上昇バイアスをかけやすくしていると見られます。

ただここから上は“日足・一目均衡表先行スパン下限(同102.199円)”“75日移動平均線(同102.433円)”“日足・一目均衡表先行スパン上限(同103.189円)”と、強力な抵抗ラインが控えています。
年初から何度となく押さえ込まれてきた水準だけに、突破には“さらなる後押し(ポジティブ)材料”が望まれるところです。

◆ただ“米9月指標”は予想を上回る底堅さを示している…!?

シカゴ購買部協会PMI・ミシガン大消費者態度指数に続いて、昨日のISM製造業PMIも好内容であるなど、“米9月指標”は予想を上回る底堅さを見せています。
このためもう一段の上値追いも期待されるところであり、前記した抵抗ライン群を超えてくるとストップロスを絡めて思った以上に上伸する可能性が控えています。
しかしながら短期筋や国内輸出筋等はこれに沿ってドル売りオーダーを展開させていると見られ、先行きはそう簡単ではありません。

102円ライン到達で目先は一旦小休止、50/20日移動平均線にて底難さの有無を確認した後、再び上値を窺う。
そんな展開と想定したいところです。
リスク回避要因の再燃に対する注意を怠ることなく、さらに今後の米経済指標次第ではありますが…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:102.772(9/21高値)
上値4:102.433(75日移動平均線)
上値3:102.199(日足・一目均衡表先行スパン下限/基準線、ピボットハイブレイクアウト)
上値2:102.000(大台、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:101.719(50日移動平均線、10/3高値、ピボット1stレジスタンス
前営業日終値:101.637
下値1:101.554(20日移動平均線)
下値2:101.339(ピボット1stサポート)
下値3:101.202(10/3安値)
下値4:101.054(9/27~10/3の38.2%押し、ピボット2ndサポート、大台)
下値5:100.867(9/27~10/3の50%押し、ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:21 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想