米景気指標強めなら買い継続、市場エネルギー不足は深刻
明日の東京株式市場見通し
4日の東京株式市場は、日本時間今夜発表される米サプライマネジメント協会(ISM)の9月の製造業景況指数に左右されることになりそうだ。もし、ISM指数が米景気の回復を示唆するような内容となれば、外国為替市場で円安・ドル高が進行し、日本の株式市場にとってプラス要因となり、買い継続となりそうだ。
市場関係者からは「きょうの東証1部の売買代金は、1兆6279億円にとどまり、9月6日以来の低水準にとどまった。これまで足かせとなっていたドイツ銀に対する過度な経営不安がひとまず払拭され、前週末の米株式市場でNYダウ平均株価が大幅反発したのに加え、きょうから名実ともに下期入りという日にもかかわらず、投資家の買い意欲は盛り上がりに欠けている。この際、きょうからスタートするノーベル賞発表で日本人受賞者が出て、株式相場の刺激材料になって欲しいものだ」との見方が出ていた。
3日の東京株式市場は、リスク回避ムードが後退して終始買い優勢の展開だったが、市場エネルギー不足のなかで
日経平均株価は上値の重い動きとなった。終値は前週末比148円83銭高の1万6598円67銭と反発した。
3日の動意株
ブランジスタ<6176>=後場ストップ高。
6月18日に配信をスタートさせたスマートフォン用ゲーム「神の手」が会社側の想定を上回る好調となっており、収益への貢献を期待した買いを誘っている。同社は前週末9月30日、「神の手」の第10弾企画として7人組の韓国人男性アイドルグループ「Block B」とコラボしたサービスを開始しており、引き続きこれによる業容拡大思惑が株価の上昇材料となっている。また、ブランジスタの親会社であるネクシィーズグループ
<4346>も続伸となっている。
インターアクション<7725>=後場一段高。
同社は9月30日に、海外の半導体製造会社からCCD・C-MOSイメージセンサ向け開発用光源装置を受注したと発表。これが引き続き買い手掛かりとなっているようだ。会社側は、今回の受注は17年5月期第4四半期に売り上げを計上する予定としているが、現時点で17年5月期通期の業績予想に変更はないとしている。
ワイヤレスゲート<9419>=後場に入って急伸。
同社はきょう、IoT向け高速通信サービスの提供を目的とする子会社「LTE-X」を設立したことを明らかにした。また、あわせてLTE-Xが、日本IBMが設立したIoTビジネスの拡大を目的としたパートナープログラム「Watson IoT Platformパートナーエコシステム」に参加することになったと発表。これらが材料視されているようだ。なお、LTE-Xはネットワーク領域で初めてのパートナーエコシステム参加企業となる。
ネクステージ<3186>=急伸し年初来高値を更新。
同社は中古車販売大手で新店効果により業績は急回復歩調だ。9月30日取引終了後、16年11月期の連結業績予想の修正を発表。売上高を770億円から860億円(前期比36.3%増)へ、営業利益を16億5400万円から21億円(同65.5%増)へ、最終利益を8億6200万円から12億円(同42.7%増)へそれぞれ大幅に増額しており、これが好感された。在庫回転率の改善やローコストオペレーション、1人当たりの生産性向上などが利益に反映されている。
システム・ロケーション<2480>=ストップ高。
同社は9月30日の取引終了後、この日の取引終了後、第2四半期累計(4~9月)連結業績予想について、売上高を4億7800万円から4億9200万円(前年同期比11.2%減)へ、営業利益を5800万円から1億円(同30.6%減)へ、純利益を5100万円から7000万円(同35.8%減)へ上方修正した。再販業務支援事業が、円高にもかかわらず期初に想定したほどの減少に至らなかったことに加えて、システム業務支媛事業で新規顧客への拡販や既存顧客への売り上げ拡大があった一方、原価の伸びを抑えることができたことが要因としている。
アダストリア<2685>=急伸。
同社は9月30日取引終了後に、17年2月期通期の連結純利益見通しを従来の100億円から120億円(前期比31.5%増)に引き上げた。保有する投資有価証券の一部を10月上旬にも売却する予定で、売却益約30億円が見込まれるためとしている。なお、売上高予想2089億円(同4.4%増)、経常利益予想173億円(同6.9%増)は従来計画通りで据え置いている。
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