100円割れ懸念は無視できないが、「下方向一辺倒の戻り売り」には眉唾…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/09/27 10:39

◆リスク回避再燃 - 3営業日ぶりの反落

※ご注意:予想期間は9月28日と表示されていますが、本日(9月27日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


想定していた以上に、下に突っ込んだ格好といえます。

“株安の連鎖”に伴うリスク回避を追い風に、円高が進行したからです。
米10年国債利回りが1.60%を一時割り込んだことも後押ししたと見られ、ドル円は3営業日ぶりの反落となって100.30円水準へと下落しました。

◆100円割れを囃す声が聞こえてくるが…?

上値の重さが意識されやすい状況は続いており、100円割れを囃す声も少なからず聞こえてきます。
ただ100.10-00円に積み上がる国内輸入筋等のドル買いオーダーは分厚く、一筋縄ではいかないと考えるのが自然です。

一方で上方向を見ると、100.50-60円に展開するドル売りオーダーが蓋をしています。
ただリスク回避を囃す短期筋の思惑的な円買いポジションは、すでに膨らんでいる印象があります。
このためリスク回避姿勢が緩やかに留まる場合には、急激な巻き戻しが誘発する可能性を秘めています。

『激しい攻防戦は必至』でしょうが、100円の大台ラインは“心理的な節目”のみならず、“6/24安値-8/16安値を結ぶライン(いわゆる三角保ち合いの下辺)”にも当たります。
ここまで来れば「100円割れ懸念を無視」というわけにはいきませんが、「下方向一辺倒の戻り売り」にはいささか眉に唾つけて臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:101.242(9/23高値)
上値4:101.088(9/26高値、大台)
上値3:100.861(9/23~9/26の61.8%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値2:100.743(9/23~9/26の50%戻し)
上値1:100.626(9/23~9/26の38.2%戻し)
前営業日終値:100.291
下値1:100.058(8/26安値、9/22安値、大台、ピボット1stサポート)
下値2:99.862(8/19安値、8/23安値)
下値3:99.646(8/18安値、ピボット2ndサポート)
下値4:99.518(8/16安値)
下値5:99.152(ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:05 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想