懸念は根強いが、大きく売り込まれる状況ではない…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/09/23 10:47

◆ビッグイベントで乱高下も、緩やかに買い戻されて落ち着く…

※ご注意:予想期間は9月24日と表示されていますが、本日(9月23日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


注目のビッグイベントは、「日銀:長短金利操作付き量的質的金融緩和を導入」「FOMC:据え置き」でした。
日銀決定後には102.80円手前へ上昇する場面が見られましたが、長続きすることはありませんでした。
一方のFOMCは金利見通し(ドット・チャート)が“2016年:2回⇒1回”“2017年:3回⇒2回”に減少し、休場の翌東京タイムにかけて100.10円水準へと売り込まれました。
しかし大台を割り込むほどの勢いはなく、緩やかに買い戻されて昨日の取引を終えています。

◆日米共に懸念は根強いが、リスク選好が円売りを促しやすい

日銀の新たな枠組みは“円売り要因として不十分”との見方も根強く、上値を押さえると見られます。
しかし“銀行株上昇⇒リスク選好”に寄与しやすいのも事実であり、少なくとも“株安⇒リスク回避⇒円買い”へとつながる材料とはいえません。
一方のFOMCは“金利見通し引き下げ”は当然とはいえ、“2016年利上げゼロ回予想が3人存在”していたことが重石になることが想定されます。
ただ世界的な低金利長期化は“株高・原油高⇒リスク選好⇒円売り”を促しやすく、事実、ビッグイベント翌日である昨日はこちらの勢いが上回りました。

オーダー状況を見ると“100.50円付近にドル買いオーダー”“101.20円付近にドル売りオーダー”が厚みを増しており、どちらを先に吸収しにかかるかが注目されるところです。
ビッグイベントを終えた材料出尽くし感が想定されますが、それでいて“年内利上げの可能性”はしっかりと残っています。

ドル売りは進行したものの、大きく売り込むほどの材料ではない…。
株式&国債利回りを睨みながらにはなりますが、ジワリジワリと値を戻す展開を想定したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:101.908(ピボットハイブレイクアウト)
上値4:101.751(9/21~9/22の61.8%戻し、日足・一目均衡表転換線)
上値3:101.436(9/21~9/22の50%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:101.120(9/21~9/22の38.2%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値1:100.926(9/22高値)
前営業日終値:100.745
下値1:100.513(9/22安値後の50%押し)
下値2:100.415(9/22安値後の61.8%押し)
下値3:100.254(ピボット1stサポート)
下値4:100.058(8/26安値、9/22安値、大台)
下値5:99.763(ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:16 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想