■9月利上げを行った場合、その次以降の「利上を判断する材料」が不足・・・

著者:平野朋之
投稿:2016/09/01 11:27

■目先のドル円は買われ過ぎ感が台頭



■昨日は、追加利上げに対する期待継続から、ドル買いが優勢で推移、押目のない一日で、103円ミドルまで押し上げる場面もありました。
また、雇用統計の前哨戦ともいえる民間雇用統計の発表が予想値を上回ったことで、明日の雇用統計にも更に期待感が高まっています。

■しかし、原油価格が週間在庫統計の発表をきっかけに大幅安となり、投資家心理を圧迫したことでリスク選好も抑制されました。
最近の追加利上げ観測からドル建てベースの原油が売られやすい地合いに、予想外の在庫増加が重なったことで相場が売られやすくなっています。

今週の動きを見れば、既に追加利上げを先読みした動きになっています。
仮に9月の利上げをおこなったとすると「次回の利上げはいつ…?」となるのは必然であり、その見通しや確固たるデーターも不足しています。
12月も利上げを行えば、その影響はコモディティに直撃するのは必至で、むしろ市場心理を覚ます消火器のようにも見えます。


■今年の相場は「原油安=株安」のリスク回避からスタートしました。

その中で「不透明」をキーワードにとにかくリスク回避姿勢が日増しに強くなり、日本円とゴールドを買う展開が続きました。
やはり、原点に返り原油価格の不安定さが産油国ないし資源国経済を直撃する利上げは果たして正常な利上げと言えるのでしょうか‥

もし、9月・12月の利上げを行えば原油価格は再び30ドル台に突入する可能性もあるのかもしれません・・・。
その意味では、欧米株式市場も売り優勢となり、大幅な下落を招く恐れすら想定してしまいます。
今の市場環境を考えれば、年1回の利上げつまり、12月に行うことがベストの選択と個人的には考えていましたが、今年は残り3回FOMCで消極的なに考えると、9月で一度行われる可能性も考慮すべき状況です。
ただ、そのままドルが買われ続けられるイメージも未だないので、日々の値動きも確認する必要があります。


■本日は、原油価格や株価を横目にしながら押目を探す一日になると思います。

先週末安値と昨日高値に対するフィボナッチで見ていきます。

・23.6%…102.70円
・38.2%…102.20円
・50.0%…101.78円

平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想