米金融政策巡り神経質な展開、「円高・株安」回避へ正念場
来週の東京株式市場見通し
来週の東京株式市場は、米金融政策の動向を探りながらの神経質な推移となりそうだ。現地26日のジャクソンホール会議でのイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演については、利上げ時期など今後の金融政策の方向性を具体的に示唆する内容になるのかどうか、市場関係者の見方も別れている。
もし、講演が中長期的な方向性を示すような内容となった場合、関心は来週末の米8月の雇用統計に移り、東京株式相場も見送り姿勢が継続することになりそうだ。
日経平均株価の来週の想定レンジは1万6000~1万6800円とする。
市場関係者からは「円相場は8月半ば以降、ほぼ1ドル=100円台前半の狭いレンジの推移となっており、
日経平均株価もきょう200円近い下げで、下値支持線の75日移動平均線近くまで降下するまではこう着状態が続いていた。円相場、
日経平均株価ともに、これ以上の“円高・株安”を回避できるか正念場の水準にある」との見方が出ていた。
26日の動意株
極楽湯
<2340>=後場に入ってストップ高。
同社はきょう、中国上海市で大型温浴施設「極楽湯」を展開している子会社の極楽湯(上海)沐浴が、同国企業2社とフランチャイズ展開することで合意したと発表。これが材料視されているようだ。フランチャイズ展開で合意したのは、青島紅樹林旅業(中国山東省)および無錫博大置業(中国江蘇省)の2社。青島では17年夏に、無錫では同年秋にそれぞれ開業する予定だとしている。
アドアーズ
<4712>=後場急動意。
昼頃に日本経済新聞・電子版が「グリーはゲームセンター運営のアドアーズと提携し、仮想現実(VR)の体験施設を東京・渋谷に設ける」と報じたことが刺激材料となったようだ。記事では渋谷を皮切りに他地域での展開も検討するとしている。また、足もと業績が堅調なことも買い安心感につながっている面もあるもよう。今月10日に発表した17年3月期第1四半期(4~6月)の連結営業利益は2億6500万円(前年同期は1100万円)で着地。同日発表した7月度のアミューズメント施設の既存店売上高(速報値)は前年同月比5.2%増となっている。
gumi<3903>=反発。
同社は25日、
ディー・エヌ・エー<2432>と協業し、本格シミュレーションRPG「ファントム オブ キル」の繁体字版を台湾やマカオ、香港のApp StoreおよびGoogle Playで配信を開始したと発表。これが買い手掛かりとなっているようだ。このゲームは、gumiとフジゲームス(東京都江東区)が共同出資しているFuji&gumi Gamesが制作し、gumiが国内で提供中のシミュレーションRPG。繁体字版の配信ではgumiがサポート業務などを担当し、DeNAグループのDeNA Chinaがパブリッシングを担当している。
池上通信機<6771>=大商いで上昇。
きょう付の日本経済新聞が「パナソニックはソニーなどと共同でフルハイビジョンの16倍の解像度を持つ次世代放送規格、8Kに対応したテレビの技術を開発する」と報じ。これが刺激となっているもよう。記事では共同開発にNHKなども加わるとされており、NHKと8Kシステムカメラなどを共同開発している池上通に関心が高まっているようだ。また、同社は25日に、9月7日から山形大学小白川キャンパスで開催される「第34回日本ロボット学会学術講演会」に出展することを発表。XYZ色忠実カメラ「RTC-21」を展示し、「農作物の識別に活用できる高色忠実カメラ」というテーマで講演を行うとしている。
カプコン<9697>=続伸。
同社は25日の取引終了後、自社株取得枠の設定を発表、これを好感した。上限を150万株(発行済み株数の2.67%)、または33億円としており、取得期間は8月26日から9月21日まで。経営環境の変化に対応して、機動的な資本政策の遂行を可能とするため。
カネカ<4118>=3日続伸。
医薬中間体などへの多角化を推進、今年2月にはバイオ医薬品向けの資材を手掛ける米ポール社と販売契約を結ぶなど、同分野での業容拡大への布石を打っている。また、原材料価格の低下により、石化製品を中心にマージンも想定以上に確保できている。時価はPBR1倍を下回り、化学セクター見直しの流れに乗る。SMBC日興証券では25日付で同社株の投資評価を「1」継続とし、目標株価を920円から950円に引き上げている。
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