■材料不足を背景に目先は三角持ち合いを形成、今後の方向は?

著者:平野朋之
投稿:2016/08/22 11:20

■米国の期待はソフトランディングでのドル安誘導

■先週末は、100円割れ目前まで迫る水準になりましたが、米追加利上げに対する要人発言で戻り優勢となり大台割れ回避となりました。
しかし、依然としてFRBによる追加利上げ時期は不透明となっているのでリスクを取りづらくなっているように見えます。

やはり、材料不足と今週末のジャクソンホールでのイエレン議長講演に注目する動きが強まっているようにみえます。


■最近のドル円を見ると、過度なリスク回避を伴う円買いというイメージより、米国の予想以上のスローな追加利上げに対するドル売りが強いイメージを感じます。

労働市場に関しては落ち着きを取り戻したように思えますが、利上げ再開のカギとなるインフレ率に関しては一向に上向いていません。

特に、小売売上高や消費者物価指数に関しては、依然として弱いく、仮に利上げ再開した場合、市場の冷え込みは確実に起きるとみています。

それなのにFOMCのメンバーが強気な早期利上げ発言を行う意味が矛盾しているように思えます。
先週の議事録でも積極的な姿勢は全く見られず、むしろハト派に思える内容でもありました。その状況を考慮すれば、9月利上げ実施のハードルは高いように思えます。


■材料不足を背景に市場では、利上げ再開に対する期待と失望を繰り返し、やがては失望がショックに変わることで、ドル安に傾くことを米国が期待しているようにさえみえます。
つまり、ソフトランディングでのドル安誘導にもみえます。

そう考えれば、大勢としてドル安トレンドの渦中にいるとみるのが、正攻法であると考えます。100円という大台は、市場参加者が割安と考えるものであり、米国は中長期的に2桁相場を定着させたいと考えているように思えます。


■本日は、材料不足とジャクソンホール講演を前に動きが緩慢になりやすいとみていますが、4時間足を見る限りは、三角持ち合いになっています。持ち合い離れで多少のブレが起きるのでブレイクするポイントをとらえ、利食い幅を狭めた回転のある売買を心掛けたいと考えています。

ブレイクポイント

・直近2日間の高値…100.50円

・大台…100.00円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想