■実弾介入は難しく、海外時間の戻り局面では売られる地合いが続く

著者:平野朋之
投稿:2016/06/17 11:22

■アジアタイムは落ち着いていますが、売りも散見

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■昨日は、日銀会合でゼロ回答となったことやFOMCで利上げペースが
一段と緩やかになる可能性が示されたことで、円買い優勢の展開となり
一時、103円台後半まで進む場面があった。
しかし、テクニカル的にもオーバーシュートとなっていたことで
買い戻す動きも広がり、104円台前半で引けています。


■本日は、日米のイベントを終え、英国民投票や週末のポジション調整
から104円台で推移するとみています。

日米の金融政策は予想通りの展開となったことで、市場環境に変化が
何もなく、英国民投票を背景にしたリスク回避の流れは変わっていない
とみています。


■また、最近の円高局面でも円売り介入に踏み切れないのは、先日の
為替政策監視国に指定されたことによる影響が大きいとみています。

やはり、前回のマイナス金利導入時で一時的に円が売られる場面は
あったものの、現在はそれ以上に円が買われる展開となっています。

つまり、現在の流れを一国の金融政策及び介入で簡単に食い止められる
ものではなく、むしろ異次元緩和をした代償の方が大きいとみています。

それは、アベノミクスが目指す2020年プライマリーバランス黒字や
物価目標2%がずれ込むどころか、遠ざかっているようにもみえます。


いずれにしてもこの金融市場の不確実性は一段と高まるばかりで、
英国民投票次第では、節目の攻防戦につながる可能性も否めない
とみています。


■本日のテクニカルポイントとしては、一旦落ち着いた動きに
なりつつありますが、安値で買うのではなく、戻りの局面では
売りを基本ベースに考えています。

昨日の陰線をベースにしています。

・ 104.80円(50.0%戻り)

・ 105.10円(61.8%戻り)
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想