下落幅縮小の流れで反発、イエレン議長の講演内容を注視
明日の東京株式市場見通し
7日の東京株式市場は、外国為替市場での円相場に左右される傾向は継続するものの、きょう
日経平均株価が下落幅を大きく縮小した流れを引き継げば、反発に転じることになりそうだ。きょうは、寄り付き直後に、一時前週末比319円安と急反落する場面があったものの、その後は円高・ドル安傾向に一服感が出たことなどを手掛かりに、徐々に下落幅を縮小する展開となった。
市場関係者からは「現地6日の米連邦準備制度理事会(FRB)イエレン議長の講演内容に市場の関心が集中している。講演の内容次第では、円相場が再び大きく変動する可能性もある」との見方が出ていた。
6日の東京株式市場は、売り優勢の急反落でスタートしたものの、その後は一貫して下落幅を縮小し、
日経平均株価は前週末比マイナス圏ながらこの日のほぼ高値引けとなった。終値は、前週末比62円20銭安の1万6580円03銭と小幅反落した。
6日の動意株
森永製菓<2201>=大幅続伸。
同社は3日、独自素材「パセノール」の有効成分であるピセアタンノールの抗炎症作用について、国際学術誌「Food Science&Nutrition」に掲載されたと発表。また、同日にはピセアタンノールの体内吸収をさらに高める技術が国際学術誌「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に掲載されたことも明らかにしており、今後の商品開発などが期待されているようだ。
東邦チタニウム<5727>=大幅高。
株価は5月以降底値圏もみ合いを続けており、「在庫調整一巡で、全体相場が軟調相場のなかで先に下値を出し切っているとの見方が、買いやすさにつながっている」(国内準大手証券情報部)という。そうした折、「きょうは鉄鋼株が総じて強い動きをみせていることや、三菱UFJモルガン・スタンレーが同社株のレーティングを『オーバーウエート』に引き上げており、投機資金流入の対象となったようだ」(同)と指摘されている。
アライドテレシスホールディングス<6835>=年初来高値。
同社はきょう、デル・ソフトウェアとネットワークセキュリティーの強化ソリューションを共同で提供していくことで合意したと発表。これが材料視されているようだ。両社は、アライドテレシスのSDN/アプリケーション連携ソリューション「Secure Enterprise SDN」と、デル・ソフトウェアの次世代ファイアウォール製品「Dell SonicWALL」各種製品を連携。7~9月でのソリューション提供を目指し、共同開発検証を行うとしている。
宮越ホールディングス<6620>=ストップ高で年初来高値を更新。
同社は5月30日に、中国子会社が保有する固定資産(土地使用権)の一部について、深セン市人民政府から道路建設のための用地回収要請を受けたことに対し、譲渡に関して前向きに対応することを決めたと発表した。同社は16年3月期決算短信の中で、現在中国事業に対して重点的に経営資源を投入しており、特に深セン市中心部に保有する土地12万7000平方メートルについて、深セン市政府が要望する日本や欧米の先端技術を導入した総合都市開発に着手する予定だとしていることから、譲渡益および再開発への思惑が再燃しているようだ。
タツモ<6266>=大幅高で連日の年初来高値更新。
同社は3日の取引終了後、中国の世界的な液晶ディスプレーメーカーから液晶カラーフィルター製造装置の大口注文を受けたと発表した。契約金額は17億2000万円で、納入時期は16年度中、売り上げ計上は17年第3四半期になるという。そのため、16年12月期業績への影響はないとしている。
クリムゾン
<2776>=急伸。
同社は3日取引終了後に、17年1月期第1四半期(2~4月)の単独決算を発表。経常損益は1200万円の黒字(前年同期は5700万円の赤字)となり、上半期計画(2100万円の赤字)を超過した。売上高は2億100万円(前年同期比67.6%増)で着地。基幹事業である卸売事業で商品企画提案強化に注力したほか、ライセンス事業でサブライセンシー各社との協業を行ったことなどが功を奏した。なお、上半期および通期の業績予想は従来計画を据え置いている。
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