■戻り売り優勢な展開、週足ベースは再度「下方」を示す可能性も

著者:平野朋之
投稿:2016/06/03 11:49

■雇用統計は平均受給や不完全雇用率のデータの改善がないと、利上げ対象にはならず?

-------------------------------------------
■注目されていたADP雇用統計は予想通りの結果になり、前月比では改善しているものの、相場が切り返す材料には至らず、結局108円ミドルで終了しました。

■本日は、月に一回の大イベント且つ追加利上げを左右する大事な全米雇用統計です。
東京やロンドンタイムまでは、株価を横目にしながらの展開を予想していますが、時間の経過と共に様子見ムードが強くなるとみています。

■雇用統計のポイントに関しては、非農業部門雇用者数は勿論のこと、平均受給や不完全雇用率のデータが良い結果でなければ、追加利上げの材料にはならないとみています。

仮に非農業部門雇用者数が良かったとしてもそれだけでは、材料不足と採られ6月見送り観測から、失望売りになる可能性も否めません。

■テクニカルでは、今週に入って300P強の下落、5月の高安に対する半値押しの見方もできますが、110円割れの水準でドルの安値拾いが出来ていないことをみればあまり楽観視できないとみています。

■更に気になる点は、金価格の動きと金ETF残高です。
最近の金の値動きは1200ドルの値固めに入っているチャートパターンで、高値からは約100ドル下落しているものの、金ETFはしっかりと残高が増えているのです。

金に対する人気の根強さはやはり不透明な世界経済に対する警鐘とみているので、その意味ではリスク選好には少々疑問が残るところです。

■本日は、基本は戻り売りで考えています。
日足ベースでボリンジャーセンターバンド(109.55円)や+1σ(110.28円)をイメージしています。

また、下値でも、逆指値で昨日安値108.50円水準での売りを待ち構えたいと考えています。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想