利上げ観測相場は仕切り直し・・・・・

著者:柳澤浩
投稿:2016/06/01 16:08

110円割れでは押し目買い狙い・・・・・

昨日の海外市場では、米国のシカゴPMIと消費者信頼感指数が予想を下回り、ドル円の上値が重くなり始めた処に、英国のEU離脱に関する世論調査で、離脱派が残留派をリードする数字が出た事で、ポンドとユーロが急落。株価の下落と、ポンド円、ユーロ円等の下落がリスク回避の流れを強めた為、ドル円も110円台後半に反落となりました。

本日の東京時間でも、朝方から、日経平均株価が反落し、午後になって下げ幅を拡大すると、ドル円も急落を開始。110.40円を下抜けると、ストップロスを巻き込む形で一段安の展開となり、110円の大台をもあっさりと下抜けて、一時、109.60円台まで下げ幅を拡大する動きを見せました。その後は下げ止まりを見せ、現在は、110円の大台付近まで反発しています。

どうも、英国のEU離脱の可能性が再び高まった事により、6月FOMCでの追加利上げの可能性も大きく後退したと見方につながり、5月上旬から続いて来た、ドル円の上昇トレンドが、維持できなくなってしまった模様です。一方、我が国の消費税増税再延期に関しては、既に織り込み済みとなり、最早、相場を動かす材料とは見られていない様です。

但し、英国の世論調査の数字は、変動も大きいので、このまま、ドル円の下落が継続するとは限らず、本日発表予定の、米ISM製造業景況指数や、FOMCの討議資料である地区連銀経済報告(ベージュブック)の内容等をチェックしつつ、再び、利上げ観測に基づいた相場構築の仕切り直しが行われるものと思われます。110円割れでは押し目買い戦略が有効でしょう。
柳澤浩
(株)FXプライム byGMOチーフアナリスト
配信元: 達人の予想