円相場の落ち着き受け買い優勢、25・75日線のGCも下支え

著者:冨田康夫
投稿:2016/05/18 19:40

明日の東京株式市場見通し

 19日の東京株式市場は、引き続き手掛かり材料難の地合いのなか、外国為替市場や、海外株式相場の動向に影響を受ける展開が続きそうだ。18日の現物株式市場終了後の時間帯に、外国為替市場で1ドル=109円台半ばへと円安・ドル高が進行していることもあり、この円安傾向が持続するようであれば19日の株式相場は堅調な推移が予想される。

 市場関係者からは「18日の終値で、日経平均株価の25日移動平均線(1万6632円=18日)と75日移動平均線(1万6609円=同)が、昨年11月以来のゴールデンクロスを達成し、先高期待感が高まってきた」との見方が出ていた。

 18日の東京株式市場は、強弱感が拮抗して前日終値を挟んで上下動を繰り返す波乱展開となった。結局、日経平均株価終値は、前日比8円11銭安の1万6644円69銭と3日ぶりの小幅反落となった。ただし、TOPIX(東証株価指数) は小幅ながら3日続伸となった。

18日の動意株

 構造計画研究所<4748>=一時ストップ高。
同社は17日にフェイスブックを通じて、5月25~28日に東京ビッグサイトで同時開催される「ワイヤレスジャパン2016」および「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2016」、「IDE Tokyo ドローンソリューション&技術展」に出展することを明らかにしており、これが材料視されているようだ。ワイヤレスジャパン2016ではネットでつながる鍵「RemoteLOCK」や屋内3Dマッピング&ナビゲーションプラットフォーム「NavVis」などを、ワイヤレス・テクノロジー・パーク2016では東北大学との共同出展で「スマホdeリレー」などを、IDE Tokyoでは東北大学と共同研究している「ドローンdeリレー」など実機を交えて展示する。

 テイン<7217>=3日連続のストップ高。
同社は13日取引終了後に今17年3月期通期の大幅増益見通しと増配計画を発表しており、これが引き続き評価材料となっているようだ。今期の連結業績は売上高が47億7200万円(前期比15.0%増)、営業利益が5億600万円(同2.2倍)となる見込みで、年間配当は前期に比べ3円増額の15円とする方針を示している。会社側では、各種ショックアブソーバー製品群の充実を図るとともに、中国工場の本格稼働などが寄与するとみている。

 ディジタルメディアプロフェッショナル<3652>=連日のストップ高。
同社は17日午前に、豊通エレクトロニクス(名古屋市西区)と共同で、IPSL(Image Processing Shader Library)を開発したと発表しており、これを材料視した買いが継続して入っている。IPSLは、従来、専用LSI(ASIC)などを活用して実現していた画像処理を、汎用マイコンのGPUで高速に処理させるミドルウエアライブラリのこと。

 JAC Recruitment<2124>=大幅高で上場来高値を更新。
同社は対外資系企業で高実績を持ち、日本での事業参入意欲が増す外資系企業のニーズを取り込むことに成功、高額案件に強みを持ち順調に業績を拡大している。17日取引終了後、16年4月度の月次売上高(連結ベース)を発表した。14億7560万円で前年同月比33.1%増と高水準の伸びを確保し、3月と比べても伸び率は拡大したことで、これを評価する買いが集まった。

 オリコン<4800>=急騰。
17日の取引終了後に自社株買いを発表しており、これを好材料視した買い集中している。上限を100万株(発行済み株数の6.83%)、または3億円としており、取得期間は5月18日から11月30日まで。株主還元を充実させるとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能にするためとしている。

 アウトソーシング<2427>=大幅高で約1カ月ぶりに上場来高値を更新。
旺盛な製造業の求人需要を受けて製造ライン向け人材派遣が好調、コンビニの人材管理や米軍基地向けなどの新たな需要も取り込み、16年12月期営業利益は前期の56%増益に続き73%増益予想と急拡大が続く。19%超の高ROEも評価材料にレオス・キャピタルワークスが5%超の大株主に浮上するなど機関投資家の注目度も高い。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想