~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~
★【18日の1~3月期GDPに注目!】市場の関心は景気刺激策に?
あと一歩で今年初の“5日続伸”とはなりませんでしたが、企業業績が悪かった割に、株価は底堅く推移しました。週間で日経平均は300円ほど上昇しています。
5月11日に発表されたトヨタの今期業績見通しは、目を疑うほどのショッキングな数字でした。17年3月期の営業利益は前年比4割減の1.7兆円と、コンセンサスを1兆円も下回るものだったため、翌日の急落に身構えた投資家も多かったことでしょう。
決算翌日、12日のトヨタ株は売り気配で始まりました。下げ幅を一時5%に広げたものの、その後じりじりと下げ幅を縮小し、終値は81円安(-1.4%)の5,553円と小幅下落に留まりました。
トヨタ株が値を戻したことが原動力となり、12日の日経平均は朝方の204円安から切り返し、4日続伸しました。
トヨタは今期の想定為替レートを実勢よりも厳しい1米ドル105円、1ユーロ120円で今期の業績を算出しています。
そのため、業績予想は保守的すぎるのではないかとの見方が広がったほか、決算と併せて発表した5,000億円を上限とする自社株買いがクッションになりました。
■1~3月期GDP、景気の実態はいかに・・?
さて来週、注目の国内総生産(GDP)が18日(水)の8時50分に発表される見通しです。
日本経済は2015年10月~12月期に四半期ではマイナス成長に陥っており、仮に2016年1~3月期もマイナスであれば2期連続となり、リセッション(景気後退)と判断されます。
また、たとえ成長率がゼロ近辺だったとしても、今年はうるう月による押し上げ要因が含まれているため、景気の実態は悪いという見方になります。
■伊勢志摩サミット後に消費増税を判断
来年4月からの消費税の再増税まで1年を切り、引き上げるか否かの判断が迫っています。
安倍首相は、5月26日~27日に開催されるG7主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の議論を踏まえて判断すると発言しており、6月1日の国会会期末の前後にも消費税に関する判断がなされるとみられます。
日本のみならず、欧州や中国などで景気停滞がみられる中、伊勢志摩サミットでは財政出動に対して各国が協調できるかが焦点になります。
7月には参院選が予定されていることもあり、来週のGDP(一次速報)が悪かった場合は、市場では財政出動による“政策期待”が高まることになりそうです。
小野山 功
あと一歩で今年初の“5日続伸”とはなりませんでしたが、企業業績が悪かった割に、株価は底堅く推移しました。週間で日経平均は300円ほど上昇しています。
5月11日に発表されたトヨタの今期業績見通しは、目を疑うほどのショッキングな数字でした。17年3月期の営業利益は前年比4割減の1.7兆円と、コンセンサスを1兆円も下回るものだったため、翌日の急落に身構えた投資家も多かったことでしょう。
決算翌日、12日のトヨタ株は売り気配で始まりました。下げ幅を一時5%に広げたものの、その後じりじりと下げ幅を縮小し、終値は81円安(-1.4%)の5,553円と小幅下落に留まりました。
トヨタ株が値を戻したことが原動力となり、12日の日経平均は朝方の204円安から切り返し、4日続伸しました。
トヨタは今期の想定為替レートを実勢よりも厳しい1米ドル105円、1ユーロ120円で今期の業績を算出しています。
そのため、業績予想は保守的すぎるのではないかとの見方が広がったほか、決算と併せて発表した5,000億円を上限とする自社株買いがクッションになりました。
■1~3月期GDP、景気の実態はいかに・・?
さて来週、注目の国内総生産(GDP)が18日(水)の8時50分に発表される見通しです。
日本経済は2015年10月~12月期に四半期ではマイナス成長に陥っており、仮に2016年1~3月期もマイナスであれば2期連続となり、リセッション(景気後退)と判断されます。
また、たとえ成長率がゼロ近辺だったとしても、今年はうるう月による押し上げ要因が含まれているため、景気の実態は悪いという見方になります。
■伊勢志摩サミット後に消費増税を判断
来年4月からの消費税の再増税まで1年を切り、引き上げるか否かの判断が迫っています。
安倍首相は、5月26日~27日に開催されるG7主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の議論を踏まえて判断すると発言しており、6月1日の国会会期末の前後にも消費税に関する判断がなされるとみられます。
日本のみならず、欧州や中国などで景気停滞がみられる中、伊勢志摩サミットでは財政出動に対して各国が協調できるかが焦点になります。
7月には参院選が予定されていることもあり、来週のGDP(一次速報)が悪かった場合は、市場では財政出動による“政策期待”が高まることになりそうです。
小野山 功