ドル売り・株売り・金買いで反応(日銀金融政策決定会合)

著者:菊川弘之
投稿:2016/04/28 15:15

2番底探りへ

 4月22日(金)当欄コラムで「一旦は、戻りの限度を試す流れとなりそうだが、本日の材料となった日銀による追加緩和期待が、次週の決定会合で市場の想定以上のモノとならなければ、修正安で2番底を探る流れになるだろう。反対に想定以上の追加策が飛び出てくると、続伸となりそうだが、それでも大きな流れでは、天井を打った下降トレンドの内での戻りにとどまると見る。」と指摘したが、本日の日銀金融政策決定会合で、現行の金融政策維持を決定したことを受け、ドル安・株安・NY金反発で反応している。

 執筆段階で、ドル円は108円台までの急落、NY金(6月限)は時間外で1250ドル台を回復。改めて年初からスタートしたメイントレンド(ドル売り・金買い)継続が確認された状況だ。ドル円は、2月~3月に保合ったレンジの下限(111円台)が抵抗として確認、NY金は1200ドルの下値支持が確認された。

 目先は、この後の黒田日銀総裁会見、今晩の1~3月期の米GDPが注目点。黒田総裁が今後の追加緩和を示唆しても、米GDPが予想を下回ると、もう一段の円高・ドル安の可能性もある。ただし、ドル円は過去の大統領選挙年(90年以降)の平均的な年間値幅を、既に1-4月で達成していることから、深押ししないで110円±3円程度のレンジ入り移行も想定される。
 いすれにしろ、日本のGW前後は荒れると言うアノマリーは、今年も当てはまる事になりそうだ。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想