ドル円戻りの目処は?

著者:菊川弘之
投稿:2016/04/22 16:27

半値戻し達成

 ドル円は、日銀が金融機関への貸出にマイナス金利適用を検討と関係筋が述べたとの報を受けて、110.50円台を回復してきた。今週は17日の主要産油国のドーハ会合で「増産凍結で合意できず」で原油安・株安・円高ドル安で始まったが、その後リスク回避の動きは高まらず、週末にかけてドル円も戻りを見せている。

 3月29日高値~4月11日安値までの下げ幅に対する半値戻しと重なる基準線まで値を戻してきたが、同水準は、3月に下放れるまでは、支持線であった水準で、一旦は抵抗を受けやすい水準。まずは、ここの攻防戦へ。

 ここを上抜いてくると、61.8%戻し111.43円、一目均衡表からは、V=111.64円、E=111.86円などが上値ターゲットとなる。雲の下限は、112円半ばに位置している。

 過去の大統領選挙年(90年以降)の平均的な値幅を既に1-4月で達成しており、1月29日高値~4月11日のレンジが、2016年の年間レンジとなる可能性もあり、一旦は、戻りの限度を試す流れとなりそうだが、本日の材料となった日銀による追加緩和期待が、次週の決定会合で市場の想定以上のモノとならなければ、修正安で2番底を探る流れになるだろう。反対に想定以上の追加策が飛び出てくると、続伸となりそうだが、それでも大きな流れでは、天井を打った下降トレンドの内での戻りにとどまると見る。

 来週は、27日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、27-28に日銀金融政策決定会合、28日に米GDP速報値などが控えている。さらに、近日中に発表されると見られる米為替報告の内容も波乱要因。例年、日本のGW前後は、ドル円のアノマリーになるような値動きも見られる。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想