■ドルの先安観が、「商品価格上昇=ドル売り」の図式に

著者:平野朋之
投稿:2016/03/03 11:32

■113円20銭台を第一目標として、ここからの売りも視野に・・


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■昨日発表されたADP雇用報告では、前月比21.4万人増と
予想を上回ったものの、ドルは一時的な反応のみで
ポジション調整的な売りが上値を押さえています・・・。


■また、EIAが発表した週間原油在庫統計では、3週連続で
在庫が過去更新をしたにもかかわらず、原油価格は
34ドル台後半と続伸しています。

■通常であれば「在庫増=原油価格下落」がセオリーですが、
この日は別の動きをしています。

この背景は・・・、

ガソリンの在庫統計も発表され、これが150万バレル減を
上回ったことで評価されているようです。

そして、金価格においても既に週間足では上昇トレンドに
なっていますが、チャート上では三段上げの道半ば
といった感じになっています。


■ドル建てで取引している原油と金の先物市場の動きから
すると、ドルはこれ以上強くならないことを先読みしている
動きになっていることが気になります。

つまり、「商品価格上昇=ドル売り」の図式が、既に市場での
見方ができている可能性も否めません。


■本日は、雇用統計を前にポジション調整が継続され,
ドルの上値が重い展開と予想しています。

やはり、米利上げに対する懐疑的な見方や日欧との金融政策の
違いが、世界の取り巻く金融市場の混乱を、さらに強める恐れも
否定できません。

今の米国は、国内優先的な考えよりも、海外優先で金融政策を
コントロールせざるを得ないといった感じのようです。




■テクニカルとしては・・・、

昨日のロウソク足で上髭陰線となったことからも、
いかに115円が意識しているのかが良くわかります。

上値ポイントとして日足ベースで114円ミドル。

下値ポイントとしては、一目均衡表転換線(112.80円)、
ボリンジャーバンド-1σ(112.45円)とみていますが、
113円20銭台も目先みえてくると考えています。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想