【売り】野村原油<1699>玉川博一

著者:玉川博一
投稿:2016/02/29 08:34

クッシング原油在庫は、史上最高5年平均を58%上回る

EIA週間オクラホマ・クッシング原油在庫推移
EIAが発表した最新週の週間石油統計(2/19時点)によると、原油在庫が前週比350万2000バレル増加の5億0760万7000バレル、ガソリン在庫は前週比223万6000バレル減少の2億5645万7000バレル、留出油在庫は前週比166万バレル減少の1億6071万5000バレルとなりました。原油の受け渡し場所となるオクラホマ州クッシング原油在庫は6506万6000バレルと、前週比33万3000バレル増加し史上最高を更新しました。
ガソリン在庫が予想以上に減少したことが好感されましたが、原油在庫、クッシング在庫は史上最高のじゃぶじゃぶです。
クッシング原油在庫は5年平均4110万バレルをなんと58%も上回っています。
先週は、イランのザンガネ石油相が増産凍結について「話にならない」と発言、サウジアラビアのヌアイミ石油相が「減産は不要」と表明、イラン、イラクが増産意欲を見せる中、増産凍結が守られるのか、懐疑的な見方も多いようです。ただ、ロシアのノバク・エネルギー相は、OPEC加盟国と非OPEC加盟国は3月半ばに会合を計画しているとし、減産合意期待からWTIが切り返す場面もありました。
サウジアラビアがなぜ減産しないのか、過去に痛い思い出があるからである。1980年に日量1000万バレル強を誇っていた産油量を価格テコ入れのため、1985年に360万バレルまで減産、原油価格を持ち上げたが、石油収入が激減、その分ロシア、イランにシェアを奪われることになった。
よってロシアが過去最高の産油量で、イランがいずれ400万バレル強まで増産しようといている中、サウジアラビアが減産することはない。
米石油在庫もタンクがいっぱいでこれから世界中へ輸出されそうで、石油関連は戻り売り方針で。
玉川博一
岡安商事 (株)商品アナリスト
配信元: 達人の予想

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