ドル/円、当面の底をつけたのか?

著者:比嘉洋
投稿:2016/02/17 19:18

市場予想を上回る結果となった米小売売上高

相変わらずボラティリティの高い相場が続いています。ただ、ここに来て市場環境にも変化が見えつつあり、ドル/円は一旦落ち着きを取り戻す可能性がありそうです。

先週金曜日に発表された米小売売上高。こちらは市場予想を上回る結果に。今回の結果を受け、個人消費の改善→2016年第1四半期のGDP成長率がしっかりとしたものになるのでは?(GDPの算出と同じ予測モデルを使用し、リアルタイムのGDP予測を公表しているアトランタ連銀の「GDP NOW」も+2.7%に上昇しています)との見方からドル/円は114円台を回復する動きになっています。加えて、15日に発表された本邦第4四半期のGDPは市場予想を下回るマイナス成長に転落、何らかの策が打ち出されるのでは?との観測もドル/円上昇の材料になっています。

とは言え、このところの市場はファンダメンタルズ分析で対応することが難しいことも事実です。しっかりとチャートを確認することも併せて行うことが大事です。そのチャートを確認してみると、21日ボリンジャーバンドの-1シグマが目前に迫っており、NY終値でこの内側に潜り込み、且つ、現在売りトレンドのシグナルを発している標準偏差ボラティリティがピークアウト(上昇から下落へ転じる)することが確認できれば、先週11日の110.96円が当面の底と考えることが出来そうです。願わくば、今月26・27日に開催される上海G20での協調体制が示されると良いのですが、各国のお家事情が異なるゆえ、過度な期待は禁物でしょう。
比嘉洋
マネースクエア シニアコンサルタント
配信元: 達人の予想