【売り】WTI原油ETF<1671>玉川博一

著者:玉川博一
投稿:2016/02/15 08:13

WTI急反発も一時的

OPEC国別産油高
先週末のニューヨーク原油は6営業日続落後、週末12日はUAEマズルーイ・エネルギー相のOPECは減産の用意があるとの発言から急反発となりました。WTI3月ものは前日比3.23ドル高の29.44ドルで終了しました。ただOPEC内でイラン、イラクが減産合意に応じるとは考え難く、今回は一時的な戻りに過ぎないでしょう。
また先週はEIA週間石油統計のクッシング在庫の増加や、OPECの1月の産油量が増加したことや、世界経済の先行き不透明感などが嫌気されました。
先週10日のOPEC月次報告によると1月のOPEC産油量は日量3233.5万バレルと前月から13万バレル増加となりました。イランが前月から日量+3.81万バレル(288.7→292.5万バレル)、イラクが前月から日量+6万バレル(432.4→438.4万バレル)、ナイジェリアが前月から日量+7.4万バレル(179.5→186.9万バレル)、サウジアラビアが前月から日量+4.42万バレル(1004.7→1009.1万バレル)と、協調減産が叫ばれる中、OPEC主要国はなんと増産しています。
さらに最新週のEIA週間石油統計(2/5時点)によるとガソリン在庫が2億5565万7000バレル(前週比+125万8000バレル増)と過去最高更新、クッシング原油在庫が6469万7000バレル(前週比+52万3000バレル増)と過去最高更新、原油在庫がやや減少したもの相変わらず5億バレルの大台を超えています。
 また、ゴールドマン・サックスによると、原油価格はバレル当たり20ドル以下へ下落する可能性を示唆しています。絶好調のイラク産油高や、イランの制裁解除後の輸出増加観測、過去最高水準の米石油在庫が輸出解禁で今後世界中へ放出される見通しで、2001年以来の20ドル割れに向かってるものと思われます。よって原油関連などは戻り売り方針で。
玉川博一
岡安商事 (株)商品アナリスト
配信元: 達人の予想

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