「マイナス金利導入、チャート的には1000円の上昇余地」
本日の日経平均は476.85円高の17513.30円で取引を終了した。日銀が金融政策決定会合で「マイナス金利」の導入を発表。市場はポジティブ・サプライズで反応し、不動産株を中心に株価が急上昇した。
お昼すぎごろには、マーケットは「嵐の前の静けさ」となっていた。市場関係者は日銀の発表を固唾を飲んで見守っており、膠着感の強い相場となっていた。
しかし、12時21分。突然、相場が動き始める。最初は上方向、その後は下方向、そして今度は上方向へと、株価は乱高下し始めた。リーク情報で「日銀がマイナス金利導入を検討」と報じられ、にわかに活気づいたのだ。
その後、日銀からの正式発表があると、株価は上値を追う展開へ。売り方の買い戻しを巻き込み、12時38分、日経平均先物は一気に17830円まで上昇した。このとき一部の証券会社ではシステム・トラブルが発生。株価が遅れて表示されたり、約定が返ってこないという不測の事態が生じた。
そして株価は一転して下落方向へ。マイナス金利が銀行収益に悪影響を与えるとの見方が強まり、メガバンクが一斉安。全体相場の足を引っ張った。13時20分には日経平均先物が16730円まで沈んだ。「すわっ、12月18日の二の舞か!」――そう思った投資家も多かったことだろう。
しかし、日経平均の日足チャートでは、この時点で下方の窓を完全に埋めており、強い調整一巡感が台頭。その後は一転して上昇に向かっている。今回のマイナス金利が「3層構造」と判明したことで、銀行収益に与える悪影響は限定的との見方。同時に金融緩和が為替相場に強く働きかけるものであったことから、円安を受けて日経平均は再び上昇基調を強めた。ローソク足では下影陽線が出現している。
「窓・壁・軸理論」では、強気相場が継続している。下方のファンダメンタルズの壁③(17800円付近)が強く機能し、同時に下方の窓を埋めたことで、押し目買いが入りやすくなった。ローソク足での先高観も強く、今度は上方の窓(18547.38円-18394.43円)を目指す順番となりそうだ。大発会のときに空けた窓を目指すことになり、短期的には1000円程度の上昇余地がある。来週以降は比較的強い相場が実現することになりそうだ。
もちろん、この動きはあくまでも「チャート」における予想である。個人的には日銀が金融政策のハンドリングを、「量的」から再び「金利」へとシフトさせた意味は非常に大きいと考えている。言うなれば、滑落寸前のロッククライマーが、足が疲れたので再び腕の力だけで登ろうとするようなもの。「体力の限界」が近づいており、墜落は時間の問題と言えるのだ。事実、日銀は物価目標の達成時期を先延ばししまくっている。これだけ金融緩和をしているのに、消費者物価指数はビタ一文も動かない。「原油価格の下落のせい」と言ってしまえばそれまでだが、アベノミクスが始まって以来、具体的な成果は何も出ていない。ただただ株価が倍になっただけであり、そのバブルがまさに弾けようとしている。断続的な日銀緩和で何とか値を保っているだけであり、実体経済には何の響きもないのだ。いずれ日銀の金融政策に限界が来て、我々はトンでもない金融パニックに巻き込まれることになるだろう。それはそう遠い日ではないような気がする。そして、北朝鮮がミサイル発射を準備しているという。「核搭載の長距離弾道ミサイル」を発射することにでもなれば、マーケットは再び震撼することになるだろう。日銀の手の込んだ緩和策も、あさっての方向へ飛んでいってしまうことになる。
お昼すぎごろには、マーケットは「嵐の前の静けさ」となっていた。市場関係者は日銀の発表を固唾を飲んで見守っており、膠着感の強い相場となっていた。
しかし、12時21分。突然、相場が動き始める。最初は上方向、その後は下方向、そして今度は上方向へと、株価は乱高下し始めた。リーク情報で「日銀がマイナス金利導入を検討」と報じられ、にわかに活気づいたのだ。
その後、日銀からの正式発表があると、株価は上値を追う展開へ。売り方の買い戻しを巻き込み、12時38分、日経平均先物は一気に17830円まで上昇した。このとき一部の証券会社ではシステム・トラブルが発生。株価が遅れて表示されたり、約定が返ってこないという不測の事態が生じた。
そして株価は一転して下落方向へ。マイナス金利が銀行収益に悪影響を与えるとの見方が強まり、メガバンクが一斉安。全体相場の足を引っ張った。13時20分には日経平均先物が16730円まで沈んだ。「すわっ、12月18日の二の舞か!」――そう思った投資家も多かったことだろう。
しかし、日経平均の日足チャートでは、この時点で下方の窓を完全に埋めており、強い調整一巡感が台頭。その後は一転して上昇に向かっている。今回のマイナス金利が「3層構造」と判明したことで、銀行収益に与える悪影響は限定的との見方。同時に金融緩和が為替相場に強く働きかけるものであったことから、円安を受けて日経平均は再び上昇基調を強めた。ローソク足では下影陽線が出現している。
「窓・壁・軸理論」では、強気相場が継続している。下方のファンダメンタルズの壁③(17800円付近)が強く機能し、同時に下方の窓を埋めたことで、押し目買いが入りやすくなった。ローソク足での先高観も強く、今度は上方の窓(18547.38円-18394.43円)を目指す順番となりそうだ。大発会のときに空けた窓を目指すことになり、短期的には1000円程度の上昇余地がある。来週以降は比較的強い相場が実現することになりそうだ。
もちろん、この動きはあくまでも「チャート」における予想である。個人的には日銀が金融政策のハンドリングを、「量的」から再び「金利」へとシフトさせた意味は非常に大きいと考えている。言うなれば、滑落寸前のロッククライマーが、足が疲れたので再び腕の力だけで登ろうとするようなもの。「体力の限界」が近づいており、墜落は時間の問題と言えるのだ。事実、日銀は物価目標の達成時期を先延ばししまくっている。これだけ金融緩和をしているのに、消費者物価指数はビタ一文も動かない。「原油価格の下落のせい」と言ってしまえばそれまでだが、アベノミクスが始まって以来、具体的な成果は何も出ていない。ただただ株価が倍になっただけであり、そのバブルがまさに弾けようとしている。断続的な日銀緩和で何とか値を保っているだけであり、実体経済には何の響きもないのだ。いずれ日銀の金融政策に限界が来て、我々はトンでもない金融パニックに巻き込まれることになるだろう。それはそう遠い日ではないような気がする。そして、北朝鮮がミサイル発射を準備しているという。「核搭載の長距離弾道ミサイル」を発射することにでもなれば、マーケットは再び震撼することになるだろう。日銀の手の込んだ緩和策も、あさっての方向へ飛んでいってしまうことになる。