■OPECの足並みが揃わない状況下での「中国カード」で不安定要因多い

著者:平野朋之
投稿:2016/01/27 11:15

■移動平均75週線(週足)が上値抵抗に


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■昨日のドル円は、原油価格が再度32ドル台に載せた
ことが好感され、株式市場やドルが買われリスク選好の
展開となりました。

米国経済指標においても予想を上回った住宅価格指数や
消費者信頼感指数、また連銀製造業指数が2ヶ月連続で
プラスを維持したことが好感されています。

最近の相場展開は、原油価格の動向次第に大きな影響を
受けていますが、この流れは引き続き上半期は継続される
とみています。

やはり原油価格が昨年の平均価格の70%ダウンとなれば
資源売却収入しかないロシアやカナダといったところは
悲鳴を上げるのは必然で、そこにサウジアラビアと
イラク問題が絡み、OPECの足並みが揃わない状況です。

そしてイランの輸出解禁となれば、矢継ぎ早に原油を
売って現金収入に換えるパターンにならざるを得ない最悪
の価格崩壊メカニズムが完成されているのです。

つまり、ディスカウントセールスで大量の在庫を抱えて
いる状況になっているだけに時間で解消するほかに
手段は無いとみています。



■更に、そこに中国カードが舞い込んでくれば、
「負のシナリオ」を連鎖させ、センチメント悪化で相場が
値崩れする可能性があり、しかも昨日の上海市場では春節を
前に買い手不在が影響して6%強ダウンしています。

原油が落ち着いても中国に目が移り、投資家心理はリスク回避
をイメージしてしまい。
売り先行にならざるを得ないのも事実です。



■本日は、今年最初のFOMCの結果及びイエレン議長の
コメントがあるのでそれまではもみ合いの展開。

それ以降はコメント次第といったところでみています。

しかし、最近の原油価格下落や諸外国の株価下落を
米国はどう見ているのか…また、利上げペースに関して
世界経済後退が囁かれる中で利上げペースに変化は
無いのかに注目をしたいところです。




■テクニカルでは、

日足ベースで上値ポイントは、一目均衡表基準線(118.76円)、
ボリンジャーバンド+1σ(119.17円)。

下値ポイントは、一目均衡表転換線(117.45円)、
ボリンジャーバンド-1σ(117.20円)とみています。


■最後に、週間足ベースで、重要とされている移動平均75週線
(118.85円)が上値抵抗になっているので、この水準も
重要ポイントになります。

本日は、ドル円週間足のチャートになります。

平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想