木下 晃伸さんのブログ

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【投資脳のつくり方】株、バブル崩壊後安値に接近

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みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下 晃伸(きのした てるのぶ)です。

■また、激しい暴落に見舞われています。
本日は前書きはよそに、速報ニュースをベースにお届けしています。
株価はもちろん、業績、為替についてまとめています。

週末にかけて大変な1日となりましたが、
いずれにせよ本日夜の米NYダウの行方を見守りたいと思います。


※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上、ご利用ください。

┏━ 【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】 ━━━━━┓

1.株、バブル崩壊後安値に接近

2.ソニー、営業益58%減

3.景気後退懸念、円も逃避先に

http://www.terunobu-kinoshita.com/20081024-toushinou.pdf

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1.株、バブル崩壊後安値に接近

(出所)2008年10月24日付日経速報ニュースより

 ●いま、世界中の投資家が懸念しているのは新興国
 ●マネーが流出する新興国に対する信認が劇的に低下
 ●ギャンブル性が蔓延しているという認識が必要

24日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落し、
大引けは7649円8銭と2003年4月28日に付けたバブル経済崩壊後の安値
(7607円88銭)に急接近し、5年半ぶりの安値を付けた。
今週初、大きく株高となった21日付の当メールマガジン編集前記で、
以下のように記載した。

●今週は週初より、株式市場が平穏な動きとなっています。
10月に入ってからの暴落を経験した私たちにとっては、
ほっとする日が続いているということかもしれません。
しかし、まだ米クリスマス商戦を控え、
さらに、今回のマネー恐慌を引き起こした新興国に対する
「コンフィデンス・クライシス」(信認の危機)が解消されていません。
いつまた下落に転じるか分からない中での上昇は、
非常に難しい局面であると考えます。
私は、この暴落時にうろたえる必要はない、しかし、
一方で現金比率は高めておくことが重要とお伝えしてきました。

例えば、当メールマガジンでも何度かお伝えしてきた新興国国債の動きを表す
米ETF「EMB」も、米NYダウが指数として上昇した昨日、下げ足を強めていた。
根強い不安が投資家を襲っていると見ることができる動きだ。

※iShares JPMorgan USD Emer Mkt Bnd Fd ETF  (Public, NYSE:EMB)
http://finance.google.com/finance?q=NYSE%3AEMB

マネーに対する信認がない中で、株式投資はギャンブル性を強くしている。
そのため、すでに市場は制御不能な状態に陥っている。落ちつくかどうかは、
「EMB」など新興国に対する信認がいつ戻るかに委ねられている。
それに尽きる。


2.ソニー、営業益58%減

(出所)2008年10月24日付日本経済新聞朝刊1面より

 ●マネー恐慌が実体経済にモロに影響
 ●外需企業は、これから業績が大幅に悪化する
 ●2003年4月との類似点、相違点は?

2008年3月期の最高益から一転して営業利益が前期比58%減の2000億円と発表、
前日比14.7%安の1,972円と大幅な株安で着地した。
しかし、前日増益を発表した信越化学工業も8%安であり、
外需は総崩れになったと言える。

「9月からマーケットの状況が変わった」。23日、都内で開いた会見で
大根田伸行・最高財務責任者(CFO)はこう強調した。
金融危機が深刻化した9月、店頭では液晶テレビの価格下落が加速。
年末商戦に向けた小売店などからの受注も計画を下回っているよう。
収益の中心である電機部門の4―9月の販売動向は
ほぼ計画通りだったことから考えれば、
下方修正は10月以降の不振が見えてきた分を反映したものと言える。

つまり、下方修正の焦点は、「米クリスマス商戦」の行方を
厳しく見ているということになるだろう。
消費に直結するエレクトロニクス部門、ゲーム部門は今期黒字化を目指していたが
難しいことが判明、外部環境をモロに受けることになった。

さらに悪いことに、為替も要注意だ。
今下期の円・ユーロ相場は1ユーロ=140円だが、足元では1ユーロ=116円前後。
円高・ユーロ安がさらなる業績下方修正を引き起こす可能性は十分ある。

くしくも03年4月にバブル崩壊後の安値を付けたきっかけは、
同社による03年1―3月期の赤字と
04年3月期の大幅減益見通し発表を受けた「ソニー・ショック」だった。
しかし、幸運にもその後日経平均株価は上昇、
株高をけん引したのは銀行を中心とした「内需」だった。
いま、チャンスと捉えるのであれば、内需にチャンスが眠ると考えるべきだ。


3.景気後退懸念、円も逃避先に

(出所)2008年10月24日付日経速報ニュースほかより

 ●円が消去法的にマネーを集める
 ●円高は本当に悪いことなのか
 ●政治が機能するかどうかがよほど重要

24日夕の外国為替市場で、円は対ユーロで116円台後半まで上昇した。
18時前には1ユーロ=116円55銭近辺と、
2002年9月以来6年1カ月ぶりの円高・ユーロ安水準を付けた。
アジア市場に続いて取引が始まった欧州市場で株式相場が急落しており、
円を借りて高金利通貨などで運用する
「円キャリー取引」を解消する目的の円買い・ユーロ売りが膨らんだ。

ユーロが1ユーロ=169円97銭という史上最高値をつけたのは
わずか3カ月前の7月下旬。
その直後から相場は反転、3カ月で50円以上、30%も急落している。
ユーロ以外でも、金融危機が深刻なアイスランドを筆頭に、
英国、スウェーデン、ハンガリーなどの欧州通貨は総崩れだ。

その結果、世界の中で円が独歩高となっている。
もちろん、これは多くの外需企業に対してマイナスインパクトを与えるため、
株式市場は悲観的に捉えがちだ。

しかし、本当にそうだろうか。
消去法とはいえ、世界の市場の中で円が“安全な通貨”として
選択されていることは、国に対してコンフィデンス・クライシス(信認の危機)が
起こっている現状では奇跡的なことだ。
通貨が強くなるということは、決して悪いことばかりではない。
また、日本国は史上空前の低金利だ。
それでも、円買いが進むことにもっと日本国民は
自国の強さを感じたほうがいいように思う。

だからこそ、期待したいのが、消去法的に選択された日本が、
真の意味で世界を救う場所になる必要がある。
そのためには、政治が機能し、世界中の投資家に日本が魅力的だという内容を
アピールする必要がある。麻生首相の双肩に強く期待したい。


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■編集後記
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●SARS

今回の恐慌は、SARS、と本日の取材先である役員から聞かされました。
ウィルスであるため、規模が小さくても世界中に伝播する、という意味。
その意味で、アイスランドやアルゼンチンなど
、小さな国で起こった出来事がウィルス、ということになるでしょうか。
しかし、SARSも気がついたら沈静化していました。

長期化するのか、短期で終息するのか、分かりませんが、
歴史は、短期で終息する可能性もある、と語っているように思います。


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