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週末まとめ -10/25/2008-
★アメリカ
週間では、ダウは-5.35%、ナスダック指数は-9.31%、S&P500は-6.78%でした。月曜日は大幅反発しましたが、それ以降は下げ基調でした。景気悪化が懸念される中、今週は四半期決算発表が相次ぎ、決算発表への警戒感から買いが入りにくく、追証売りや解約売りや現金化など手仕舞いの売り物が出続けて下げた感じです。米株の場合、経済指標や個別銘柄の決算発表への反応は、あまりネガティブではないよう印象。市場全体が、強制的&恐怖感からのポジション縮小の流れで下げ続けているように思えます。
決算発表内容はそんなに酷いようには思えませんが、過去の数字ですし、今後の見通しも現状の混乱度合いがひどすぎて予想なんてまともに立てられないでしょうから、あんまり参考にはならないのかな。ただ、個別銘柄の決算発表後の反応は結構冷静な気がします。まあ私が見ているのは、アップル、アマゾン、ヤフー、ボーイング、キャタピラー、マイクロソフトなど、大企業だけだからかもしれませんが。
TEDスプレッドは引き続き下がってきています。短期金融市場は少しずつ落ち着いてきているようです。ドルは対円以外では上昇していますし、あいかわらず米国債も買われています。しかしアメリカはこんだけドル紙幣を刷れば、貨幣価値は減耗していきますよね。アメリカの株価は10年後には結構上がっていると思います。その分、物価も上がっているでしょうけど。
アイスランドの実質破綻に続いて、パキスタンがデフォルト危機になったり、アルゼンチンが年金国有化を目指したり、ウクライナやハンガリーが支援を求めたりと、新興国や経済規模の小さな国で危機的状況に陥る国が続出しています。これらの国の通貨も猛烈に売られています。ハンガリー、デンマークは通貨防衛のために利上げを行いました。通貨が売られれば、外貨建ての債務が膨らむし、国の信用自体が下がっているので借り換え金利も高くなります。スパイラル的に国家財政が厳しくなります。
あらゆる市場でこれほど大規模に急速にポジション縮小が続くのは、前代未聞ではないでしょうか。金融が膨張した状態だったので、それだけ縮小・撤退が続くのかなと。現在、各国政府・中銀が必死の対応をしています。人間は過去の教訓を生かせるのか。
23日の議会証言で、グリーンスパン氏は持論の一部について過ちを認めるとともに「過去20年間はユーフォリアだった」と言いました。規制を緩くし市場にまかせて、放漫な融資、粗悪な証券化商品の氾濫、デリバティブの膨張などを招きました。株価のバリュエーションへの影響。過去20年のPERは高かったです。PERが低い時代に戻るのだろうか?
1871-2001年の米国市場全体の実現PER(過去12か月のEPSベース)の平均は14.45です。この数値は、ジェレミー・シーゲル「株式投資」P.101より引用しました。そのページにチャートも載っているのですが、以下のS&P500の実現PERチャートで代用。過去30年分ですが、見た感じ数値はほとんど同じです。
http://www.martincapital.com/chart-pgs/Ch_per.htm
★日本
週間では、日経平均は-12.01%、TOPIXは-9.86%でした。円高が一気に進行したため、輸出株の影響が大きい日経平均の下落率が高かったです。日経平均は、月曜、火曜は上昇しましたが、水曜以降は大幅下落。水曜は歴代11位、金曜は歴代5位の下落率を記録する暴落となりました。世界的に、ポジションの手仕舞いが止まらない感じです。
海外景気の急速な悪化。米国に加えて、欧州・新興国も急におかしくなってきました。円高も一気に進みました。そのため外需株がメタメタに売られました。ソニーも大幅な業績下方修正を発表しました。
マーケットにとっては、信用不安よりも実体経済の悪化が大事になってきています。でも、現状の混乱の結果、どれくらい実体経済が悪化するのかわからないですから、恐怖感が先にくる。とりあえず現金化、強制売りの波が止まらないと、株式市場はどうにもならないのだと思います。バリュエーションが考慮される状況ではないです。
円高がしばらく続きそうですし、世界的な不景気はまだ始まったばかりなので、日経平均の水準も厳しい状況が続くと思います。ざっくりと、今年来年は7000円~10000円でしょうか。多分、日本経済も低迷が続くと思います。長期的見れば、緩やかな衰退。国家としての黄昏の時代になるのかなと。(でもまあ経済発展だけが幸せじゃないですよ)
★為替
あらゆる通貨に対して、円高が一気に進行しました。円キャリーの巻き戻しや、リスク回避からの円買いが殺到したようです。ポンド円、豪ドル円は、過去10年の最安値レベル。ここまで下がれば長期的には買い時かな。目先は円高の状況が続きそうですが。
★商品
ゴールドが大きく下落。信用不安が収まってきたのと、実体経済悪化で実需(主に宝飾品用)が落ちると思われているのでしょうか。原油価格も、OPECの減産発表にもかかわらず下落。景気が悪ければ原油需要も落ちる。価格の動きを後付けで説明するとこんな感じになりますが、コモディティファンドの解約売りなどの影響が大きそうな気もしますね。
★今週の予定
27日(月)
9月新築住宅販売件数(米)
ロウズ決算発表
日本郵船、キヤノン決算発表
28日(火)
10月リッチモンド連銀製造業指数(米)
10月消費者信頼感指数(米)
USスチール決算発表
ホンダ、野村HD、パナソニック決算発表
29日(水)
9月鉱工業生産・速報(日)
9月耐久財受注(米)
FOMC政策金利発表(米)
GM、P&G、VISA決算発表
新日鉄、コマツ、東芝決算発表
30日(木)
第3四半期GDP・速報(米)
エクソンモービル、モトローラ決算発表
任天堂、伊藤忠、日立、住金、京セラなどなど決算発表
31日(金)
9月失業率(日)
9月全国CPI(日)
9月PCEデフレーター(米)
9月個人支出(米)
10月シカゴ購買部協会景気指数(米)
住友化学、三菱商事、ドコモ、東京エレク、日産など決算発表
※決算発表日はトレーダーズ・ウェブのを転載しています。間違っているかもしれないので、気になる銘柄については個別に調べるのをお薦めします。日本企業は週の後半に決算発表が集中しますね。
週間では、ダウは-5.35%、ナスダック指数は-9.31%、S&P500は-6.78%でした。月曜日は大幅反発しましたが、それ以降は下げ基調でした。景気悪化が懸念される中、今週は四半期決算発表が相次ぎ、決算発表への警戒感から買いが入りにくく、追証売りや解約売りや現金化など手仕舞いの売り物が出続けて下げた感じです。米株の場合、経済指標や個別銘柄の決算発表への反応は、あまりネガティブではないよう印象。市場全体が、強制的&恐怖感からのポジション縮小の流れで下げ続けているように思えます。
決算発表内容はそんなに酷いようには思えませんが、過去の数字ですし、今後の見通しも現状の混乱度合いがひどすぎて予想なんてまともに立てられないでしょうから、あんまり参考にはならないのかな。ただ、個別銘柄の決算発表後の反応は結構冷静な気がします。まあ私が見ているのは、アップル、アマゾン、ヤフー、ボーイング、キャタピラー、マイクロソフトなど、大企業だけだからかもしれませんが。
TEDスプレッドは引き続き下がってきています。短期金融市場は少しずつ落ち着いてきているようです。ドルは対円以外では上昇していますし、あいかわらず米国債も買われています。しかしアメリカはこんだけドル紙幣を刷れば、貨幣価値は減耗していきますよね。アメリカの株価は10年後には結構上がっていると思います。その分、物価も上がっているでしょうけど。
アイスランドの実質破綻に続いて、パキスタンがデフォルト危機になったり、アルゼンチンが年金国有化を目指したり、ウクライナやハンガリーが支援を求めたりと、新興国や経済規模の小さな国で危機的状況に陥る国が続出しています。これらの国の通貨も猛烈に売られています。ハンガリー、デンマークは通貨防衛のために利上げを行いました。通貨が売られれば、外貨建ての債務が膨らむし、国の信用自体が下がっているので借り換え金利も高くなります。スパイラル的に国家財政が厳しくなります。
あらゆる市場でこれほど大規模に急速にポジション縮小が続くのは、前代未聞ではないでしょうか。金融が膨張した状態だったので、それだけ縮小・撤退が続くのかなと。現在、各国政府・中銀が必死の対応をしています。人間は過去の教訓を生かせるのか。
23日の議会証言で、グリーンスパン氏は持論の一部について過ちを認めるとともに「過去20年間はユーフォリアだった」と言いました。規制を緩くし市場にまかせて、放漫な融資、粗悪な証券化商品の氾濫、デリバティブの膨張などを招きました。株価のバリュエーションへの影響。過去20年のPERは高かったです。PERが低い時代に戻るのだろうか?
1871-2001年の米国市場全体の実現PER(過去12か月のEPSベース)の平均は14.45です。この数値は、ジェレミー・シーゲル「株式投資」P.101より引用しました。そのページにチャートも載っているのですが、以下のS&P500の実現PERチャートで代用。過去30年分ですが、見た感じ数値はほとんど同じです。
http://www.martincapital.com/chart-pgs/Ch_per.htm
★日本
週間では、日経平均は-12.01%、TOPIXは-9.86%でした。円高が一気に進行したため、輸出株の影響が大きい日経平均の下落率が高かったです。日経平均は、月曜、火曜は上昇しましたが、水曜以降は大幅下落。水曜は歴代11位、金曜は歴代5位の下落率を記録する暴落となりました。世界的に、ポジションの手仕舞いが止まらない感じです。
海外景気の急速な悪化。米国に加えて、欧州・新興国も急におかしくなってきました。円高も一気に進みました。そのため外需株がメタメタに売られました。ソニーも大幅な業績下方修正を発表しました。
マーケットにとっては、信用不安よりも実体経済の悪化が大事になってきています。でも、現状の混乱の結果、どれくらい実体経済が悪化するのかわからないですから、恐怖感が先にくる。とりあえず現金化、強制売りの波が止まらないと、株式市場はどうにもならないのだと思います。バリュエーションが考慮される状況ではないです。
円高がしばらく続きそうですし、世界的な不景気はまだ始まったばかりなので、日経平均の水準も厳しい状況が続くと思います。ざっくりと、今年来年は7000円~10000円でしょうか。多分、日本経済も低迷が続くと思います。長期的見れば、緩やかな衰退。国家としての黄昏の時代になるのかなと。(でもまあ経済発展だけが幸せじゃないですよ)
★為替
あらゆる通貨に対して、円高が一気に進行しました。円キャリーの巻き戻しや、リスク回避からの円買いが殺到したようです。ポンド円、豪ドル円は、過去10年の最安値レベル。ここまで下がれば長期的には買い時かな。目先は円高の状況が続きそうですが。
★商品
ゴールドが大きく下落。信用不安が収まってきたのと、実体経済悪化で実需(主に宝飾品用)が落ちると思われているのでしょうか。原油価格も、OPECの減産発表にもかかわらず下落。景気が悪ければ原油需要も落ちる。価格の動きを後付けで説明するとこんな感じになりますが、コモディティファンドの解約売りなどの影響が大きそうな気もしますね。
★今週の予定
27日(月)
9月新築住宅販売件数(米)
ロウズ決算発表
日本郵船、キヤノン決算発表
28日(火)
10月リッチモンド連銀製造業指数(米)
10月消費者信頼感指数(米)
USスチール決算発表
ホンダ、野村HD、パナソニック決算発表
29日(水)
9月鉱工業生産・速報(日)
9月耐久財受注(米)
FOMC政策金利発表(米)
GM、P&G、VISA決算発表
新日鉄、コマツ、東芝決算発表
30日(木)
第3四半期GDP・速報(米)
エクソンモービル、モトローラ決算発表
任天堂、伊藤忠、日立、住金、京セラなどなど決算発表
31日(金)
9月失業率(日)
9月全国CPI(日)
9月PCEデフレーター(米)
9月個人支出(米)
10月シカゴ購買部協会景気指数(米)
住友化学、三菱商事、ドコモ、東京エレク、日産など決算発表
※決算発表日はトレーダーズ・ウェブのを転載しています。間違っているかもしれないので、気になる銘柄については個別に調べるのをお薦めします。日本企業は週の後半に決算発表が集中しますね。
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日経平均はNASDAQに近い性格を持っていることは知っていますし、そのとおりの動きになっています。
しかし、金曜日の新安値銘柄を見ればわかるとおり、日経225オンパレードです。
http://www.opticast.co.jp/opt/market.htm?../cgi-bin/stop.cgi
日本水産で始まり、円高の影響をあまり受けない内需株についても225銘柄を中心に暴落しています。
日経225が単純平均ではなく加重平均だったなら今回のような動きにはなりません。
個別銘柄の株価形成を歪めてしまうことについては、遺憾です!
と言う訳で、今買うんだったら現物で長期になりそうですし、為替も丁度円高気味なので海外に目を向けてみようと思います!この前のまとめで紹介されていたKXIとか、JXIみたいなのからですかね~。
TOPIXの下落率が小さいのは、情報通信や電力が下げ渋ったからだと思います。NTTや東電などは、ディフェンシブなのに加えて、規模が大きいのにみなし値が低いですから、日経平均ベースの裁定解消売りが出てもたいして影響を受けないですね。
日本は、現状の生活レベルを維持していくのも大変になると思います。資源も無い狭い国土に1億人以上が住んで、現在のような生活水準を保っているのは奇跡に近い気もします。まあ、経済的に豊かでも未来が暗い生活より、貧しくても将来への希望がある生活の方が幸せな気がするので、いったんどん底に落ちれば、国家としての活力が回復するかもしれませんね。
KXIは良いですよね。垂涎ものの銘柄が並んでいます!
決算書を眺めてみると、税金の額が利益の40%近くであり、利益を上げている企業からの税収がものすごい額であるように思われます。
高い税金と給与を払っている企業によって経済が支えられていることが良くわかります。
マスコミは利益を上げている企業を叩き過ぎのように思います。
ほとんどの企業は相当額の株式を保有していますが、今回の株価下落で、利益が減少し、税収がどれだけ減少するか予想すると怖いものがあります。また投資家からの税収も減少します。
これらを考慮すると政府や日銀の対応が遅いように思われます。
早期に株価の復活を願います。
銀行や保険は、保有株の下落がかなり痛いですね。大手は数兆円の含み益が吹き飛んだりしています。