米国では現在3回目となる新型コロナ対策給付金が支払われています。
今回の支給額は一人当たり1400ドルで、総支給額は3200ドルに上ります。
(1回目1200ドル、2回目600ドル)
ドイツ銀行の調査によれば、今回の現金給付の中から約40%に当たる
1700億ドルもの資金が株式市場に流入する可能性があるとのこと。
年代別調査では25歳~34歳の個人投資家は50%と回答しています
単純計算で過去最高の20兆円近い資金が株式市場に流入することになり
これがNY市場の株価を一段と押し上げると考えられています。
一方で、ブラックマンデーを経験した市場からは
俄か投資家の急増は株価バブル崩壊の前兆だという指摘も出ています。
ブラックマンデーの引き金になった事象は幾つかある様ですが
当時の米国経済が財政不安と貿易赤字拡大という問題を抱えていたことと
インフレ懸念(ドル安)のため金利の引き上げが現実味を帯びていたこと。
そこにいくつかの外部要因が加わって株価の暴落が起こりました。
では米国経済の現状はどうか?
先ず米国の貿易赤字はリーマンショック後に一旦増加したものの
1980年以降縮小傾向が続いています。
一方財政赤字は
2015年(-648.47億$)から増加傾向にありますが(2019年は減少)
昨年は新型コロナの影響で、過去最高(-3894.65億$)を記録しています。
新型コロナ対策費の内訳はトランプ政権下で2兆2000億$。
バイデン政権下で1.9兆$。
さらにこの後3~4兆$規模の財政出動が検討されており
さらなる悪化が懸念されます。
以上をまとめると
貿易赤字は縮小傾向にあるのでブラックマンデー当時とは状況が異なる。
財政赤字は急激に悪化していますが
新型コロナという不測の事態に対応するためで一時的な悪化とも言える。
つまり現状とブラックマンデー直前の米国経済を比較すると
必ずしも株価バブルとは言えない
従ってバブル崩壊もないという論法が成り立ちます。
少なくとも世界の三大中銀がゼロ~マイナス金利政策を続ける以上
株価は堅調に推移するのではないでしょうか。
では4月はどうか?
正直全く分かりませんが、複数の証券会社や投資顧問の予想は
概ね前半28500円~30000円に集中しており
結局29000円を挟んで何方へ転ぶか読み辛いというのが本音だと思います。
リスクとして以下の2点は充分認識して置きたいところ。
米長期金利が1.9%(米国株の平均利回り)を超えると暴落が起こり得る
世界的に新型コロナ変異株の感染者が増加傾向にある
因みに、個人的には以下の2点を見極めたいと考えています。
3~4兆ドル規模の米追加対策を市場がどの様に判断するか
(財政悪化の懸念が勝れば株式市場にはネガティブサプライズになる?)
週末に発表される米雇用統計の結果に市場がどの様な反応をするか
(大幅に改善しても、テーパリングの前倒し懸念が勝ればマイナス?)
<まとめ>
長期的に株価の伸びしろはまだまだあると考えていますが
短期的には米長期金利の高止まりが株価の頭を押さえる様な気がします。
またロビンフッダーが株価を支えるか、或いは狩られるかも今月の見所です。
それでは4月も頑張りましょう。 GOOD LUCK!