昨夜のNY市場は反発して引けましたが、貿易戦争に対する警戒感は根強く
ダウ、S&P500のチャートはエアーズロックを連想させますね。
<6/29 NY市場反発の主な要因>
〇ストレステストの結果、ドイツ銀行の子会社を除く34行全てが合格
〇5月個人消費支出が前同比+2.3%となり、2012年3月以来の高い伸びを記録
〇ナイキが上場来高値を更新(通期上方修正で株価は前日比+11.13%)
一方で、3指数共に終盤下落した理由として
貿易摩擦への懸念が週末の利益確定売りを加速させた可能性が考えられます。
特に先週、トランプ政権が中国資本による対米投資や
米ハイテク製品の中国への輸出制限を検討していると報じられ
米中貿易戦争に対する投資家の警戒心がより高まったと思います。
<チャイナショックに警戒>
上海総合指数は米中貿易摩擦を嫌気し、28日に2年ぶりの安値を付けましたが
中国人民銀行が人民元売買の基準値を7日連続で元安・ドル高方向に設定したため
「株安・元安」という状況に陥っています。
この状況は2015年8月の「人民元ショック」に端を発した株価暴落時に似ており
今回も念のために中国発世界同時株安を警戒して置く必要がありそうです。
因みにトランプ大統領は中国の知的財産権侵害を制裁するために
500億ドル相当の中国製品に追加関税を課すとしていますが
その第1弾が今週(7/6)発動される可能性が高いことから
中国本土市場及び人民元相場の動きには充分注意して置くべきだと思います。
<2015年8月チャイナショック時の日経平均株価推移>
グローバルマクロ系ヘッジファンドやCTAの介入による株価暴落は
8月第2週から始まり9月末で続きました。
8/10 終値:20808円(終値ベースでの年初来高値)
8/31 終値:18890円
9/29 終値:16930円(1/14以来の安値)
およそ1ヶ月半(33営業日)続いた下落相場で
日経平均はmax3878円下落し、下落率は-18.6%に達しました。
またその間、前日比10%以上の下落が15営業日(約半分)あり
maxは8/24の前日比-895円(700円以上の下落が3回)でした。
以上3年前の出来事を簡単に振り返ってみましたが
8月の東京市場は夏季休暇で出来高が減少するため
HFにとっては最も売り崩し易い時期だと言えます。
それだけに今夏の株式市場は米中貿易戦争の行方や
米国株・中国本土株・人民元の動向に注意し
買い付け余力を充分温存して置くのが賢明だと考えています。