優利加さんのブログ

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「入首線」で下げ渋る

先週金曜日の米国株式相場は大幅安となった(DJIA -424.69 @23,533.20, NASDAQ -174.01 @6,992.67)。ドル円為替レートは104円台後半の前日比円高方向での動きだった。本日の日本株全般は、終値では上げる銘柄の方が多くなった。東証1部では、上昇銘柄数が1,175に対して、下落銘柄数は835となった。騰落レシオは93.16%。東証1部の売買代金は2兆8309億円。

TOPIX +6 @1,671
日経平均 +148円 @20,766円

米国株が大幅続落したのを受けて、朝方は売り先行で始まり、TOPIXも日経平均も大きく下げた。日経平均は一時、270円安となった。しかし、前場が終わりかける頃になると切り返し始めた。その頃、円高・ドル安方向の動きが一服し、シカゴ市場の米国株先物が上昇していたことが日本株を支えたようだ。また、日銀がETFを買うのではないかという思惑も相場の下支えとなった。だが、安心するにはまだ早い。日本企業の来期業績見通しは円高基調が続く中、悪い方に振れそうである。さらに米中貿易摩擦の行方、決裁文書書き換え問題で揺れる安倍政権の行く末など、相場を動かしそうな大きな問題が未解決である。

日経平均の日足チャートを見ると、前日の長大陰線の実体部分に本日は陽線で食い込み、「入首線」となった。前日の陰線の実体の半分以上に食い込む「切り込み線」よりは弱いが、それでも明確な下げ渋りを示した。バリュエーション面では、日経平均の予想PERは12倍台前半にまで低下し、2012年末から始まったアベノミクス相場の下限を更新し、割安感が増してきた。ただ、予想PERは低いから良いとは限らない。業績見通しが下方修正されれば、予想EPSが下がり、低いと思っていた予想PERが突然上昇することもある。

米国の鉄鋼・アルミニウムに対する関税引き上げの影響を手短にまとめておこう。日本の粗鋼生産量は年間で約1億トンである。バブルのころから殆ど変わっていない。粗鋼や鋼材の輸出は約4,000トンあり、そのうち米国向けは2%弱である。なんだ、大したことないじゃないかと思うかもしれないが、油断はできない。なぜなら、海外の鉄鋼製品が米国市場がから締め出されるわけだから、米国外では供給過多となり、鋼材価格が下がるからである。他方、米国内で操業する日本の自動車メーカーは、鉄鋼やアルミニウムの1割程度を輸入に頼っているため、関税引き上げは原材料費の上昇につながる。価格転嫁して販売価格を上げれば、他社との競争力が落ちる。結局、日本の鉄鋼メーカーも米国内にある日本の自動車メーカーも悪影響を受ける。

33業種中23業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、パルプ・紙(2位)、ゴム製品(3位)、化学(4位)、食料品(5位)となった。

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