先週末発表された2月米雇用統計は非農業部門雇用者数の増加が31.3万人と
事前予想の20.0万人を大幅に上回りました。
一方で失業率は4.1%で横ばい、平均時給の伸びは予想を下回り
全体的には強弱の材料が混在する結果でした。
これを受けてドル円はやや上昇しましたが、107.05円をピークに反落し
最終的には106.82円で引けています。(ユーロ/ドルは変化無し)
また労働需給の逼迫が賃金の上昇に結び付かない状況が続いたことで
債券市場の反応は薄かったものの
シカゴ連銀エバンス総裁の「賃金の伸びがもう少し強ければ良かった」
利上げペースについては「慎重に判断するためもう暫く様子を見たい」
「年央まで待って複数回の利上げを決定することも可能」との発言を受け
FRBは利上げを急がないとの見方が台頭し、株価は大幅に上昇しています。
<CME円建て玉の推移(対ドル)>
3/6時点のCME円建て玉状況(対ドル)は円ショートが前週比-9806枚で
3週連続の減少となりました。
また2/27のドル円相場は日中平均106.86円。
3/6=106.24円。3/9=106.73円。
一方ドルインデックスは2/27=90.28、3/9=90.11となっており
雇用統計の影響はなかったことが窺えます。
従って今回の雇用統計で円安の期待は薄れ
年央まで現状維持が濃厚になったと思います。
ただ4月~5月に南北会談及び米朝会談が予定されていますので
その結果次第では状況が一変するかも知れません。
<今後の相場予測>
(外部要因)
〇米国の関税引き上げ問題は既に織り込まれ、株価下落要因にはならない 〇
〇米国では年4回の利上げ観測がやや後退し、株価にはプラス要因 〇
〇中国の景気減速と米中の貿易交渉には引き続き注意 △
(内部要因)
〇1月鉱工業生産指数が大幅に低下 ✖
〇1月景気動向指数も大幅に低下 ✖
〇2月の景気ウォッチャー調査では、街角景気の実感を示す現状判断指数が
3カ月連続で悪化し、昨年4月以来10カ月ぶりの低水準 ✖
〇以上のことから、今年に入り国内の景気が減速している可能性が浮上 ✖
〇2月第4週(2/26~3/2)の投資主体別売買動向によると
海外勢は日本株を現物・先物合計で8週連続売り越しており
(個人投資家は6週連続で現物を買い越し)
円高による企業業績の下振れ懸念が原因だと考えられている ✖
従って海外勢が本格的に買い越しに転じるとすれば
早くても3月決算の企業業績を見極めてからだと思われますが
長期投資主体の海外勢は既に買っているという情報もあり
個人的に今月は買い時だと考えています。