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国内株式市場見通し
国内株式市場見通し:一段高期待なら「ポケモノミクス」から「アベノミクス」へのシフト
フィスコ - 7/16 16:13
先週の日経平均は大幅に上昇。週間では最大で一時1500円を超える上昇となった。米雇用統計のサプライズを受けた米国株高のほか、参議院選挙で憲法改正に前向きな勢力が3分の2の議席を占めることになったことが材料視され、大幅に反発して始まった。その後も政府による経済対策への期待が高まっており、大型財政出動への思惑のほか、英国の後任の首相が決まったことで英国のEU離脱に対する世界的なリスク回避の流れが和らいだ。これにより米国市場ではNYダウ、S&P500指数が最高値を更新。日本株市場も順調なリバウンドをみせている。
さらに市場のセンチメントを明るくさせたのが任天堂である。米国、オーストラリアとニュージーランドで6日に配信を開始したARゲーム「ポケモンGO」は、リリースからわずか1日でいずれの国でもランキングの首位に躍り出る爆発的なヒットとなった。関連としてAR(拡張現実)やポケモングッズなどを手掛る企業へと物色が広がるなか、市場は「ポケモノミクス」相場の様相に。任天堂は連日大幅な上昇となり、さらに売買代金も連日でトップとなるなど、週を通じて好パフォーマンスをみせた。
今週はさらにトレンドが強まるかが注目されるところであるが、地政学リスクの高まりが重石になりそうである。フランス南部のリゾート地ニースで起きたテロ見られているトラック暴走では、テロ対策の難しさが露呈した。また、週末にはトルコで、軍の一部が主要都市で部隊を展開させるなどクーデターを試みる動きをみせたと伝えられている。その後、クーデターは失敗と伝えられているが、この影響を見極める必要がありそうだ。
日経平均は先週、一時16600円を回復している。16600-16800円は価格帯別出来高で商いの膨れている水準である。いったん上値を抑えられやすいところだろうが、テクニカル面では反対にトレンドが出やすい期間でもある。一目均衡表では雲がねじれを起こし、雲下限は16542円辺りから週末には16218円辺りまで切り下がる。そのため、雲を突破してくる可能性が高く、シグナルが好転してくる。
もっとも、これを一気に捉えるには外部環境の落ち着きのほか、金融政策等による押し上げが必要なほか、金融セクターや輸出関連等のリバウンドが不可欠であろう。任天堂については過熱警戒感があるが、TOPIXに対するインパクトの大きい超値がさ株であり、パフォーマンスの観点から組み込まざるを得ない状況。日本のコンテンツビジネスへの評価は高まり、少なからずも先週のLINEにインパクトを与えた感はある。外部環境が落ち着きをみせ、日経平均の一段の上昇を想定するならば、いったんは「ポケモノミクス」から「アベノミクス」へのシフトは必要であろう。
需給面では英国のEU離脱による世界的なリスク回避ムードが後退するなか、引き続き相対的に売り込まれていた日本株への見直しが期待されるところ。特にアベノミクスへの失望から日本株への売りが加速した面もあり、今回の参議院選でのアベノミクス信任による安定政権を受け、低下させていた日本株比率の引き上げ等も次第に意識されてくる可能性はある。また、為替市場ではリスク回避の姿勢が和らいで円売りが進んでおり、1ドル106円台に乗せる場面もみられていた。円相場が落ち着きをみせてくるようだと、輸出関連への業績懸念も後退するだろう。
そのほか、イベントとしては、19日に東証マザーズ指数を対象とした先物取引がスタートする。そーせい、ミクシィ、サイバーダイン等の時価総額の大きい銘柄への動向が注目されよう。仕掛け的な値動きに振らされやすく、短期筋にとっては値幅取り狙いの対象になるだろう。その他、初期段階では時価総額が小さく、品薄の銘柄等はイレギュラー的な価格が形成される可能性がある。短期筋の需給要因にも振らされやすくなるため、バリュエーション面での評価は見送る必要がありそうだ。
経済指標では17日に7月の独ZEW景況感指数、6月の米住宅着工件数、20日に7月のユーロ圏消費者信頼感、21日に6月の米中古住宅販売件数が発表される。また、23、24日にG20財務相・中央銀行総裁会議が中国・成都で開催される。国内では相当関心は低下しているようだが、20日に6月の訪日外国人客数が発表される。
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