ファーストリテイリングが４日発表した「ユニクロ」の３月の国内既存店客数は前年同月比8.6％減となり、客数減が響き売上高も0.3％減と前年実績を３カ月ぶりに下回ったそうです。
客足を回復させようと２月上旬から一部商品を値下げしましたが、２度の値上げで薄れた「低価格」イメージは簡単には取り戻せないようです。
値上げの後遺症に苦しむ姿は企業の価格戦略が転機に来ているようです。
ユニクロは、これまで金曜日にチラシを打ち、月曜日までの４日間、対象商品を値下げするセールを展開してきましたが、２月上旬、セールの対象商品や頻度を減らし、数十品目で常時300～1000円程度値下げしたそうです。
2014年に５％、2015年に10％と２年連続で値上げしたユニクロにとっては、原料高や急激な円安を受け、「品質を維持するためには必要」（柳井正会長兼社長）との判断でしたが、アベノミクスによる賃金上昇の恩恵で消費者は値上げを受け入れるとの見方に反し、客数減は止まらないようです。
昨年４月以降の１年間で、国内の既存店客数が前年実績を上回ったのはわずか３回だそうです。
ユニクロが値上げで失速している間にライバルは息を吹き返し、しまむらが４日発表した2016年２月期の連結決算は３期ぶりに増益となり、３月の既存店売上高も11.8％増と好調なようです。
しまむらの１商品あたりの単価は900円以下で、客単価でも2600円強にとどまり安い製品に強く、野中正人社長によると「消費者は潜在的に安い製品を求めている」とのことです。
ユニクロまだまだ安いとは思いますが、たしかに最近はあまり安さを感じなくなっているような気がします。
9983：33,410円、 8227：13,980円
