考えさせられる作品に、またまた出会った。
ひょっとして作家という人種は、
ムー民的な才能を持っていて、
あの世的な世界にアクセスすることができるのかも知れない。
あるいは霊能者たちと似ていて、
その意識の中に、ささやきつづけているナニモノかが、
住んでいるのかも知れない。
個人的には、村上春樹とか三浦しをんが、そういう人種だと思う。
一般的には、かつて故・山崎豊子がそんな風に思われていたという。
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「パリで銃撃戦があるのは初めてだな」とランベールが冷静な声で言った。
それと同時にまた銃撃の音が、今回ははっきりと銃声として、
それも極めて近くに聞こえ、それからもっと強烈な爆発音がした。
客たちがその方向を向くと、建物の上から一本の煙の柱が上がっていた。
方角からして、クリシー広場の辺りに違いない。
「まあ、わたしたちの舞踏会は早めにお開き、ってことかしら」
アリスが冗談めかして言った。
(略)
ちょうどそのとき、ぼくは、二人の治安機動隊員が、
機関銃を斜めに担ぎ、防弾服に身を包んで、
クリシー通りからサン=ラザール駅へと坂道を下ってくるのを見て驚きを抑えきれなかった。
二人は快活におしゃべりをしていて、
こちらには一瞥もくれなかった。
ぼくはあまりに呆然として言葉を出すのも困難だった。
「彼らは・・・・・・まったく何も起きていないように振る舞っている」
「そうですね」ランベールは立ち止まり、仔細ありげに顎をさすった。
「お分かりでしょうが、今の時点では、何が起きるのか、
起きないのかを言うことは困難です。
馬鹿か嘘つきでもない限り、予測できるという人はいない。
これから何週間か、何が起こるか知っていると言える人は誰もいないでしょうね。さて」
(略)
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★「服従」
ミシェル・ウェルベック著 大塚桃訳 佐藤優解説 河出書房新書 2,400円+税
2015.9.30.初版 2015.10.10.2刷発行 P.56~59より一部抜粋
米国では、たった一本の電話(それともFAX・メール?)が原因で、
パリ行きの飛行機が2機、出発できなかった。
同様に、たった一本の電話(それともFAX・メール?)が原因で、
パニックを起こすことが、今ならば(あるいは今後も)可能だ。
次はどんなことを仕掛けられるのだろうと、
色々なサイトが予想しているようだが、
大事な場所を忘れているようだ。
その犯人は、ISIS関係者とは限らない。
先物で売り狙っている輩たち、なのかも知れない。
9.11以降、どういうことが起きたって不思議ではないと、
誰もが感じているだろう。
怖いので、持ち越しの大勝負なんかできない。
米国の、証券取引所が危ないと思うんだ。