昨晩のブログを書いて、夜が明けたら気がついた。
飯能の方に何の意味があるのかは不明だが、
「所は茅ヶ崎の、藤沢駅からかなり遠い」の方は、意味がわかった。
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「ほら、テーブルの上の堅い黒いものに触れなさい。
しっかり握るんだよ。
そうそう。
まだ引き金にさわってはいけない。
そうっとそれを自分のこめかみにぴったりくっつける。
どうだ、冷たいだろう。
いい気持ちだろう。
熱の熱いときの氷枕のように、頭がスッキリするだろう。
それからおもむろに、人差指を引き金にあてて・・・・・・」
17
・・・・・・羽仁男の指は、今まさに、拳銃の銃口を自分のこめかみへあてて、
その引き金を引こうとしていた。
そのときである。
何ものかがとびついてきて、拳銃を奪い取ると、
つづいて銃声がすぐ身近にとどろき、
犬がしきりにキャンキャンと鳴く声が羽仁男の耳を占めた。
このショックが、薬の効き目を中断したものらしく、
彼は頭を振って立ち上がった。
嘘のように室内がはっきり見えてきた。
彼の足下には、例の女がこめかみから血を流して、
ねじれたような格好で倒れていた。
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★「命売ります」
三島由紀夫著 ちくま文庫 2015.7.25.第19刷 P.78~79より抜粋
その薬を飲むと、人の言いなりになってしまうという。
元々死にたかった羽仁男は、「命売ります」という新聞広告を出しており、
この薬の実験のため、依頼がかかったのだった。
この抜粋した箇所は、二番目の依頼で起きた話。
場所は、「所は茅ヶ崎の、藤沢駅からかなり遠い」中島宅になっている。
すっごい。
若いころ、藤沢駅北口でオイラがやらかした光景と、似ている。
その話は、マエストロ掲示板で、詳しく書いた。
その後、色々なことが起きて、何もかもが小説の材料になってしまった。
だれか、タマルを呼んでくれないか。
それとな、薬屋のシンちゃんもだ。。
三島由紀夫まで、オイラのことを、こんな予言的な材料にしていたとは・・・。
不思議もここまで極まると、却って爽快だ。