ヒロろんさんのブログ
本日の市況
東証1部の時価総額が1989年末のバブル期のピーク時を超えたものの、当時と今を比較すると上場企業数が6割強増えているからということで、何となくインパクトが薄れたように感じました。
しかしながら、バブル期を超える資金が株式市場に流入しているということに違いはありません。また、投資対象となる上場銘柄数が増えたということはそれだけ資金が分散しているということであり、従って平均的に見て個々の銘柄に当時ほどの割高感はありません。※割高ではないということはもちろん、業績が伴っているということでもあります。
ところで、約25年前の1989年12月末時点で上場していて、時価総額が比較できる1268社を対象に、当時と今年5月26日時点の時価総額の増加率を調べた結果(ランキング)が昨日の日経新聞夕刊に掲載されていました。
ちなみに、過去25年間で時価総額が最も増加した銘柄は「日本電産」で、89年末に1010億円だった時価総額は現在は2兆6000億円を超え、増加率は26.3倍となっています。以下、トップ10は下記のようになっています。
1位)日本電産 26.3倍
2位)ヒューリック 24.9倍
3位)キーエンス 14.4倍
4位)ユニチャーム 12.6倍
5位)村田製作所 10.0倍
6位)久光製薬 8.2倍
7位)参天製薬 8.2倍
8位)シマノ 7.7倍
9位)トヨタ紡織 6.8倍
10位)富士重工 6.5倍
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【1】今日の相場 **
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◎日経平均
20551.46(+ 78.88)△0.39%
◎TOPIX
1672.76(+ 11.43)△0.69%
◎売買高概算 31億1908万株
◎売買代金概算 3兆2639億円
◎時価総額 599兆3274億円
◎値上り銘柄数 901
◎(年初来)新高値 224
◎値下り銘柄数 841
◎(年初来)新安値 6
◎変わらず 141
◎騰落レシオ(25日)
108.73%(前日比4.39%上昇)
◎サイコロ(日経平均)11勝1敗
○●○○○○○○○○○○ 91.7%
(↑)1988年2月以来の連騰記録
◎カイリ率(日経平均)
25日線比+3.08%
75日線比+6.35%
◎為替
(対 ド ル)123.69(前日比0.71円安)
(対ユーロ)135.28(前日比1.00円安)
◎出来高上位
1.みずほ <8411>
271.1円(+ 15.1円)62087万株
2.東電 <9501>
707円(+ 41円)29831万株
3.三菱UFJ<8306>
917.3円(+ 20.7円)15922万株
4.双日 <2768>
314円(- 6円) 7016万株
5.新日鉄住金<5401>
339.2円(- 1.9円) 5239万株
◎売買代金上位
1.東電 <9501>
707円(+ 41円) 2094億円
2.日経レバE<1570>
18170円(+ 140円) 1720億円
3.みずほ <8411>
271.1円(+ 15.1円) 1665億円
4.三菱UFJ<8306>
917.3円(+ 20.7円) 1455億円
5.トヨタ <7203>
8637円(+ 141円) 1044億円
◆相場概況
外国証券の寄付前の注文状況・・・売り990万株 買い910万株
本日の東京マーケットは日経平均株価が10日連続高、前日比78円(0.39%)高の2万0551円で取引終了です。2000年4月12日以来、15年1ヶ月ぶりの高値水準となります。10日連続高は1988年2月27日まで13日続伸して以来、ほぼ27年ぶりの連騰記録となります。
昨晩のNYダウが121ドルの大幅高となったこと、円相場がNY市場で一時1ドル=124円台の円安に進行したことを好感して朝方から輸出関連中心に幅広い銘柄に買いが先行。12:43には上げ幅が182円となる場面がありました。ただ、買い一巡後は連日の上昇への警戒感が意識され、引けにかけては幾分上げ幅を縮小しています。売買代金は概算3兆2639億円、上海総合指数は321ポイント(6.5%)の大幅安で4620です。
業種別では、銀行、保険、自動車、電力ガス、証券、電機などが高く、水産、情報通信、非鉄、紙パ、海運などが下げています。
個別銘柄では、三菱電機が28.5円高の1707.5円と値を上げて昨年来高値を更新。輸出企業の多くが16年3月期の想定為替レートを1ドル=115円としていますが、同社は1ドル=110円としており、足元の円安進行で収益拡大を期待した買いが入っています。同社はドルが1円円安に進むと営業利益が20億円ほど押し上げられます。
富士重工が37.5円高の4727円と値を上げ、連日で昨年来高値更新。昼に円相場が1ドル=124.26円近辺と124円台に乗せ、約12年半ぶりの円安水準となっています。同社は16年3月期の前提為替を1ドル=118円に置いており、輸出採算の向上による利益拡大を期待した買いが入っています。トヨタも141円高の8637円、マツダも20.5円高の2675円と値を上げています。
東京電力が4日連続高で41円高の707円と連日で昨年来高値を更新しています。出来高は2億9831万株と大きく膨らんでいます。昨日に東海地盤のTOKAIと提携協議に入ったと発表するなど電力小売りの自由化をにらんだ外部提携が相次いでおり、構造改革進展を期待した買いが入っています。
日東電工が5日連続高、184円高の9667円と9年ぶりの高値水準まで上昇しています。6月から日本で肝硬変患者向けに新型バイオ医薬品の臨床試験(治験)を始めると報じられ、スマートフォン用の液晶フィルムなどに次ぐ新たな収益源の確立に繋がるとの期待感から買いが入っています。2018年に製品化を狙う計画です。
その他、円安進行を好感してトヨタ系部品大手のアイシン精機が220円高の5690円と昨年来高値更新、小型モーター世界シェア5割超のマブチモーターが140円高の7730円、セラミックコンデンサー世界トップの村田製作が205円高の2万0575円。
14年秋に佐世保重工業を完全子会社化した名村造船が業績上方修正で74円高の1059円、自社株買いと増配方針の住友大阪セメントが21円高の450円と値を飛ばしています。
本日の新高値銘柄は、清水建、大和ハ、積水ハ、トヨタ紡、富士フイルム、ライオン、森精機、牧野フラ、クボタ、ミネベア、三菱電、日本電産、オムロン、パナソニック、TDK、村田製作、三菱重、富士重、アイシン精、デサント、三菱UFJ、野村HD、JAL、東電、ファーストリテイ・・・等々です。
☆相場コメント
いい相場展開が継続しています。日経平均株価は10日連続高とバブル崩壊後初の長期上昇を記録しています。
本日に東証が発表した5月第3週(18~22日)の投資家別株式売買動向を見ますと、外国人は3週連続で買い越しで買越額は4375億円(前の週は1024億円の買い越し)と大きく膨らんでいます。一方、個人は3週連続で売り越しで売越額は5958億円、信託銀行も8週連続で売り越しで売越額は635億円となっています。
外国人が国内勢の売りを全て吸収するという「相場上昇の方程式」が継続しています。
尚、日経平均株価はこの10日間、すなわち5月14日の終値1万9570円から本日の終値2万0551円まで値幅にして981円の上げ幅となっています。
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【2】主な投資判断 **
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[メリルリンチ証券]
据置き A
(5333)日本ガイシ 2,900→ 3,350円
据置き A
(9062)日本通運 770→ 830円
[クレディS証券]
引上げ B→A
(1925)大和ハウス 3,400円
据置き A
(6326)クボタ 2,400→ 2,500円
新 規 A
(4912)ライオン 1,000円
[UBS証券]
据置き A
(5802)住友電工 2,100→ 2,200円
据置き A
(9375)近鉄エクスプレス 6,700→ 7,000円
据置き C
(9062)日本通運 420→ 450円
据置き C
(9064)ヤマトHD 1,900→ 2,000円
[野村証券]
据置き A
(9627)アインファーマ 5,500→ 6,000円
[三菱UFJMS証券]
据置き A
(8870)住友不動産販売 3,990→ 4,400円
引下げ A→B
(4676)フジメディア 1,920→ 1,840円
[みずほ証券]
引上げ B→A
(4528)小野薬品 13,500→16,000円
引上げ B→A
(6875)メガチップス 1,470→ 2,200円
[大和証券]
引上げ 2→1
(9684)スクウェアエニ 2,660→ 3,280円
※3段階評価はA~C、5段階評価は1~5にて表記
※投資判断を再開した場合は新規と記載
※価格は各証券会社が判断する妥当株価
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【3】ホッグは儲からない **
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「 ブルもベアも儲けることができる。しかしホッグだけは決して儲からない。」
ブル(牛)は戦うとき下から角を突き上げることから強気筋(相場上昇を見込む投資家)の象徴であり、ベア(熊)は腕を上から振り下ろして攻撃することから弱気筋(相場下落を見込む投資家)を指します。
相場では、強気派にも弱気派にも等しく儲けるチャンスがあるものですが、欲張りはダメだと言っています。餌を求めて地面をほじくりかえすばかりの貪欲なホッグ(豚)に例えて欲張りな投資家を揶揄したウォール街の有名な格言です。
ブル・ベアの話のついでに、株式相場はその時々の波はあるにせよ長期的には上昇するという過去の経験則を踏まえ、買いは長期保有で利益増大を計り、売りは比較的短期的な行為であることが多いことから、買いを「ロング」、売りを「ショート」と呼び、売り方の買い戻しのことを「ショート・カバー」と言います。
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【4】本日の経済指標等の結果 **
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◎週間の対外及び対内証券売買契約等の状況
5月17~23日分
海外投資家
+5612億円(+1872億円)
◎週間の投資部門別株式売買状況
5月第3週(5月18日~22日、日経平均531円高)
個人投資家
-5958億円(-1820億円)※3週連続売り越し
海外投資家
+4375億円(+1024億円)※3週連続買い越し
信託銀行
- 635億円(- 274億円)※8週連続売り越し
※マイナスが売り越しで、プラスが買い越し、カッコ内は前週の状況。
◎4月の小売業販売額(速報)
4月は前年同月比5.0%増と、3月の9.7%減から増加に転じましたが、増加率は市場予想を若干下回りました。
円安が進み、対ドルでは12年半ぶりの安値をつけました。アメリカから見ればドル高であり、ドル高はグローバルに事業を展開する米企業にとって収益の足かせになります。米経済界の意向を受けた米政府高官もしくは米金融当局者からいずれはドル高をけん制する発言が出るものと思われますが、どこまでの円安・ドル高が許されるのか、その水準を試す動きとなっています。