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勝率はどの程度信頼できるか

投資顧問サービスを選ぶとき、アナリストの勝率を気にする方が多いようです。しかしこの勝率という評価尺度はどの程度信頼できるのでしょうか?ここでは投資の達人プレミアムのアナリストを比較しながら考えてみます。2015年4月28日現在、投資の達人プレミアムには以下7名のアナリストが登録されています。熊谷 亮黒岩 泰向後 はるみ西村 剛藤村 哲也戸松 信博日経225一番勝率が高いアナリストは勝率74.1%の熊谷氏です。一見すると勝率の高い熊谷氏が良いように思えます。しかしここで注目して欲しいのは、彼らが売りの予測も出しているアナリストかどうかという点です。黒岩氏の実績と熊谷氏の実績を比較してください。実績を見ると、黒岩氏は買い予測だけではなく売り予測も積極的に出すタイプのアナリストだとわかります。しかし熊谷氏は買い予測だけを出すアナリストのようです。そして、投資の達人プレミアムのサービスが始まった2013年7月1日から現在までの日経平均株価の値動きを見てみましょう。日経平均株価【998407】:株式/株価 - Yahoo!ファイナンス22ヶ月のうち、始値より終値が高くなっている月は15ヶ月ありました。つまり何も考えずに毎月一回適当な銘柄の買い予測を出すだけでも、勝率はおよそ15/22 = 68%程度になったということです。(売り予測を一切しなかった場合)つまり、買い予測だけを出すアナリストは運良く日経平均株価が上昇している相場だったために勝率が底上げされているのです。勝率が50%を超えているからといって必ずしもそのアナリストに株価を予測能力があったということにはなりません。逆に言えば、下降相場においては勝率が50%を下回っているからといって必ずしも無能なアナリストだとは限らない、ということでもあります。(ちなみに勝率を底上げする方法は他にもいくつかあります。それらの方法も機会があれば紹介します)投資の達人プレミアムに登録されているアナリストのうち、買い予測と売り予測を両方とも出しているアナリストは黒岩氏と「日経225の達人」の二名です。この二名は勝率が50%に近い値になっています。そしてその他のアナリストは買い予測を中心に行うアナリストです。他のアナリストに本当に市場を予測する能力があるのかは、勝率だけからは解りません。とはいえ、買い予測しか出さないアナリストだから駄目だということではありません。あくまでも、買い予測だけを出すアナリストの場合には上昇相場において勝率が50%を超えているからといってそのアナリストが有能なアナリストだとは限らない、ということです。実際のところ、熊谷氏の勝率は74.1%なので、日経平均株価の勝率68%を超えています。そして熊谷氏の「平均パフォーマンス 6.2%」は、もしこれが本当だとしたら驚嘆に値する数値です。(しかし実はこの数値も正確なものではないようです。熊谷氏のページの下部にある「実績値の記載について」を参照してください。また投資の達人プレミアムについてはこのような噂もあるので入会を考えている方はご注意ください)勝率を考える時は、そのアナリストが買いと売りの予測をどの程度の比率で出しているか、予測を行っていた期間の市場が上昇相場だったかどうかなど、総合的に考えるようにしてください。なお、もしアナリストの予測精度を定量的に比較したいのであれば、勝率ではなくF値のような評価尺度もあります。参考にしてください。
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