ユリッチさんのブログ
ブログ
思いやり
思いやりの気持ちは嬉しいものです。たとえそれがうわべだけのものであったとしても、私はありがたいと常に受けとめています。
作詞家、岩谷時子さんの追悼テレビ番組のゲスト、加山雄三さんが言いました。自分の一番辛いときに、岩谷さんは優しく手を差しのべてくれたと。それが今でも忘れられないと。
すると司会者が岩谷さんの言葉をすかさず代弁しました。
「加山さんに詞を書くと必ず、いやぁ素晴らしいなぁ、とか、いいですねぇ、とか褒められる。それがとても励みになってありがたかった、と岩谷さんは言っていらしたそうですよ」
それを聞いた加山さんは照れながら
「そうかなぁ、気がつかなかったけどなぁ」
このさりげない気遣いが素敵だと私は思いました。更に加山さんは思い出話を続けました。
彼が事業失敗の憂き目に遭う直前に出したLPに岩谷さんが、【追いつめられて】というタイトルの詞を書いたそう。それから間もなく事業は倒産、加山さんは海外へ逃亡してしまいました。
「でも、やっぱり日本に戻ってきちゃってね。無一文だから、女房のお袋さんのやってる店で飯食わせてもらってたんですよ。そしたらね」
店の酔っぱらいが、彼に声をかけてきたのだそうです。
「おぅ、おまえ、加山じゃねぇか。おまえのLPに入っていた曲、【落ちぶれ果てて】。あれ、いい歌だなぁ」
加山さんは番組で頭をかきながら、
「ほんとは曲名【追いつめられて】なんだけど。そのときは【落ちぶれ果てて】でもおんなじだと思ってね、まいっちゃってねぇ」と屈託なく笑っていました。
その話を聞いて私は、加山さんに声をかけた酔っぱらいにグッときてしまいました。話の展開からしててっきり揶揄するのかと思いきや、いい歌だなぁ、と褒めた酔っぱらい。曲名は実にタイムリーに間違えていたけれど。そこにはもしかしたら、加山さんへの思いやりがあったのかも知れません。
一昨日は身内との会食で久々に酔っぱらいの仲間入りをした私。株のことを聞かれたときお酒の勢いも手伝い「今度こそうまくいく!」と宣言してしまいました。一夜明けて株の結果を聞かれ、ダメだったと言うのがどうにも悔しくて、
「お酒飲んでたし、株の話なんかした覚えはない」、とうそぶきました。相手は「そっか、勘違いだったか」と言って、以後その話題には一切触れなくなりました。
あたたかい思いやりに心から感謝します、毎度登場のお母さん。。。。
私はすっごく儲かっても、「そこそこです」くらいしか言わないつもり。
「がはは、大儲けしたぜ!」と言ったら妬まれるからね。
それに、絶対「おごれ」とか言われるし。
あなたにご馳走するために売買してるんじゃないから!
と、シュミレーションはばっちりですが、いまのところ、本当にそこそこかも…