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銀杏 by wiki 途中


 

イチョウの種子は、銀杏(ぎんなん、ぎんきょう)と言い、殻を割って中の仁が調理される。仁は直径1.5センチメートル前後のラグビーボール形で、熱すると半透明の鮮やかな緑色になるが、水分を吸うと黄色っぽく不透明になる。彩りを兼ねて茶碗蒸しなどの具に使われたり、としても人気がある。デンプンが豊富に含まれ、モチモチとした食感と独特の歯ごたえがある。ただ、独特の苦味と若干の臭気がある。秋の食材だが、加熱して真空パック詰めにした商品は年中手に入る。上記のような鮮やかな緑色は殻付きの生の種子を入手しないと得られない。

 

ぎんなんの収穫を目的とした栽培品種があり、大粒晩生の藤九郎、大粒中生の久寿(久治)、大粒早生の喜平、中粒早生の金兵衛、中粒中生の栄神などが主なものとして挙げられる。

銀杏は日本全土で生産されているが、特に愛知県稲沢市(旧:中島郡祖父江町)は生産量日本一である。ぎんなん採取を目的としたイチョウの栽培もこの地に始まるとされるが、それは1900年前後のことと伝えられる[17]。上記の栽培品種も、多くはこの町の木から接ぎ木で広まったものである。

熟すと肉質化した外皮が異臭を放つ。異臭の主成分は酪酸ヘプタン酸である。異臭によりニホンザルネズミタヌキなどの動物は食べようとしないが、アライグマのように平気で食べるものもいる。

銀杏中毒[編集]

ぎんなんはギンコール酸などを含み、などのようにかぶれなどの皮膚炎を引き起こす。触れてすぐには発症せず、長期間継続して実に触れ続けた結果発症した例もある[要出典]。また、食用とする種の中身にはビタミンB6の類縁体4-O-メチルピリドキシン (4-O-methylpyridoxine、MPN) が含まれている[18]が、これはビタミンB6に拮抗してビタミンB6欠乏となりGABAの生合成を阻害し、まれに痙攣などを引き起こす。大人の場合かなりの数を摂取しなければ問題はないが、1日5 - 6粒程度でも中毒になることがあり、特に報告数の70%程度が5歳未満の小児である[19]太平洋戦争前後に中毒報告が多く、大量に摂取したために死に至った例もある。

一方で喘息等の症状に対する鎮咳去痰作用など薬草としての効力もあり、前述の難破船に遺された銀杏も薬の原料として送られたものであると言われている。

薬理効果の研究[編集]
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ドイツではイチョウの成分が医薬品と認められている


 


  • ドイツでは、フラボノイド22 - 27%、テルペノイド5 - 7%(ビロバライド2.6 - 3.2%、ギンコライドA,B,C2.8 - 3.4%)、ギンコール酸5ppm以下の規格を満たすイチョウ葉エキス医薬品として認証されており[20]、日本においても(財)日本健康・栄養食品協会が同様の基準を設けている[21]。しかし、同協会の認証を受けていない商品についてはそういった基準はない。なお、イチョウ葉は日本からドイツフランスへ輸出されている[22]
  • 日本では、イチョウは医薬品として認可されておらず、食品であるため効能を謳うことは出来ない。しかし、消費者に対し過大な期待を抱かせたり、薬事法で問題となるような広告も散見される[20]
  • 生の葉は摂取しない方が良い。また、雑誌などでイチョウ葉茶の作り方が掲載されることがあるが、これに対して国立健康・栄養研究所は「イチョウ葉を集めてきて、自分でお茶を作るという内容であり、調製したお茶にはかなり多量のギンコール酸が含まれると予想され、そのようなことは勧められません。」としている[21]
  • 銀杏と葉で薬効成分が異なる。葉の薬理効果の研究は国内大学[23]をはじめ日本国外でも行われている。
  • 国民生活センターのレポートによると、アレルギー物質であるギンコール酸、有効物質であるテルペノイド、フラボノイドの含有量には製法と原料由来の大きな差がみられる。また、「お茶として長時間煮詰めると、ドイツの医薬品規格以上のギンコール酸を摂取してしまう場合がある」とし、異常などが表れた場合は、すぐに利用を中止し医師へ相談するよう呼び掛けている[20]
  • 日本と欧米では製造方法が異なり、日本では成分抽出の溶媒に「水」「エチルアルコール」が使用されているが欧米では「水」「アセトン」であり、抽出後のフラボノイドやテルペノイド以外の成分が同等であるかは判っていない[21]

有効性

数々の臨床試験において、イチョウのさまざまな有効性が報告されている[21]


  • 認知症の改善
  • 記憶改善
  • 脳機能障害の改善
  • 末梢循環障害の改善

なお、これらの臨床試験は、医薬品規格を満たすイチョウ葉エキスを用いて行われており、市場で販売されているものが、同等の効果を持つとは限らない。

副作用[編集]

イチョウに対するアレルギー反応を引き起こすことがある。医薬品規格を満たさないものの場合、アレルギー物質であるギンコール酸をより多く摂取することとなり、アレルギー反応の可能性も大きくなると思われる。また、出血傾向も認められる[20][21][24]。まれな副作用としては、胃腸障害、頭痛、スティーブンス・ジョンソン症候群下痢、吐き気、筋弛緩発疹口内炎などが報告されている。

相互作用[編集]

イチョウ葉エキスには血液の抗凝固促進作用があり、アスピリンなど抗凝固作用を持つ薬との併用には注意を要する。インスリン分泌にも影響を及ぼすため、糖尿病患者が摂取する場合は医師と相談した方がよい。また、抗うつ剤や肝臓で代謝されやすい薬(CYP2C9、CYP1A2、CYP2D6、CYP3A4の基質となる医薬品(例: ジアゼパムワルファリントリアゾラムハロペリドール))も相互作用が生じる可能性がある[25][26]。原因は明らかでないものの、トラゾドンとイチョウ葉エキスを摂取した高齢のアルツハイマー症患者が、こん睡状態に陥った例も報告されている。利尿剤との併用により、高血圧を起こしたとの報告も1例ある

 

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