昨日の東京市場は予想に反して後場に盛り返し
日経平均、TOPIX共に4日続伸となりました。(4日続伸は何れも今年初めて)
しかし出来高も売買代金も相変わらず低調で
週末にも関わらず株価が崩れなかった原因は、先物による売り崩しがなかったことと
配当取りの買いが支えたのではないかと推測しています。
出来高が伸びない理由は、日銀の金融政策決定会合やMSQ
さらには米国雇用統計(こちらは予想を上回りました)など重要なイベントを見極めたいという
慎重な投資家心理が依然として強く働いているからだと思われます。
さらに付け加えると
ウクライナ情勢の先行き不透明感も投資家心理を冷やしている原因の一つだと言えます。
しかし過去に何度も起こった地政学的リスクでは
株価の暴落より解決後の上昇幅の方が一時的にせよ大きいという皮肉な結果があります。
これは恐怖心から解放された投資家心理が一瞬ハイになることを表していると考えられますが
大抵の場合、市場に冷静さが戻れば株価も妥当な水準に戻るので
一時的なオーバーシュートに過ぎないと思います。
つまり現代社会に於いて、自国が直接関わらない地政学的リスクは買いが有利だということです。
今回のウクライナ紛争も御多分に漏れず株価への影響は今のところ限定的です。
しかも上海総合指数に至ってはロシアのクリミア侵攻が伝わった当日でさえ唯一逆行高でしたし
日経平均株価も、ロシア軍の侵攻が報道された2月末より2.9%高くなっています。
しかし今度は鍵を握る立場がプーチンからウクライナ政府に移ります。
つまりウクライナがクリミアのロシア併合を拒否すれば
再び武力衝突に発展する恐れがあることから
ウクライナ問題で株価はもう一度暴落するリスクを抱えていることになります。
ところで私は最終的にクリミアはロシアに併合されるのではないかと考えています。
理由はクリミア人の多くががそれを望んでいることと
ウクライナ自体が混乱状態にあり、主権国家としての基盤が脆弱なことです。
ここで最悪のシナリオは欧米が介入し過ぎてウクライナを分裂させ内戦に導くことでしょう。
しかし誰もその様な結末を望んでいる筈はなく
そう考えるとこの問題は既に先が見えている様な気がします。
それにしてもウクライナはチェルノブイリの原発事故といい、今回のロシアの侵攻といい
つくずく悲運な国だとしか言い様はありませんが
被爆という共通の体験を持つ国として、日本独自の支援を考え実行して欲しいと思います。
無論アメリカとロシアの狭間で安倍首相のリーダーシップが問われる難しい局面ではありますが
ウクライナは、嘗て昭和の大横綱と呼ばれ国民栄誉賞に輝いた「大鵬」の母国であり
対岸の火事として見過ごせば平成の名総理?の名に傷が付くというものです。
(昨日の売買)
9386 日本コンセプト 1730円 新規買い
(シェールガス輸入時の本命、LNG船の連想買いは?などと夢と妄想が同時に広がる銘柄です)