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コラム:2014年国内マクロ政策を左右する「3つの数字」
コラム:2014年国内マクロ政策を左右する「3つの数字」http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE9BP05L20131226?sp=true[東京 26日] -2014年の国内マクロ政策は、3つの数字が与える影響力に大きく左右されると予想する。その3つとは、消費税率、株価、内閣支持率だ。消費税率の引き上げで名目の物価が2%程度押し上げられる一方、賃金があまり上がらないと堅調な個人消費に水を差されるリスクが出てくる。それを見越して海外勢が利益確定の日本株売りを出せば、株価が予想外に下がる場面も出てくる。株価が下がってマインドが悪化すれば、内閣支持率が下がり、安倍晋三政権に動揺が走り、追加緩和や財政出動、10%への消費税引き上げの延期などを政策メニューに上げる可能性が高まるだろう。<来年の物価上昇率、名目3%台の波紋>まず、消費税率の8%への引き上げが、来年の日本経済にとって最大のかく乱要因になると予想される。政府・日銀は駆け込み需要やその後の反動減は、住宅ローン減税の拡充など政策対応で、かなり抑制できるとみているようだ。しかし、実際には自動車販売などに駆け込み需要の兆しがみえ、4月以降の反動が一部で懸念されている。また、非耐久財については、消費税分の上乗せで値上げが相次ぎ、個人消費を冷え込ませるのではないかという予想も出てきている。3%の消費増税で消費者物価指数(CPI)は2%ポイント押し上げられると見られているが、そこに日銀の異次元緩和の効果で上がってきたもともとの物価上昇率が「オン」される。4月は1.1%─1.2%程度の上昇が予想され、名目の物価上昇率は3%台になる公算が大きい。東海東京証券・チーフエコノミスト、斎藤満氏は「1997年には2%の引き上げで景気が大きく落ち込んだが、今回は3%の税率引き上げで、限界的な影響は97年当時の5割り増しとなる分、影響は大きくなる」と予想する。また、民間エコノミストの間では、国内総生産(GDP)を2013年度に0.7%ポイント押し上げる一方、14年度には同規模の反動減があるというのが、平均的な予想のようだ。「山」と「谷」の差が仮に1.4%程度になったとすると、やはり「消費税のがけ」は決して小さくないと言えるのではないか。<うわさされる海外勢の日本株利食い売り>ギャップが生じるところ、マーケットでは「商機」が発生するというのが、過去の経験から得られる教訓だ。特に大きな機動性を発揮する米系ファンドなどの海外投資家の一部は、日本経済のギャップが発生する前に、それまで手にしていた利益の確定を図る公算が大きい。その動きが表面化した場合、日経平均.N225が想定外の下落を始めるというシナリオも非現実的と退けられないだろう。株価の変動が、個人や企業経営者のマインドに大きな影響を与えてきたというのは、この1年間の日本経済を振り返れば、だれでも認めざるを得ないのではないか。大幅に下げた時のインパクトは無視できない。<株価に影響受けやすい内閣支持率>株価が下がると、これまで50%を超える高率を概ね維持してきた内閣支持率にも波及する展開が予想される。おりしも26日には安倍晋三首相が靖国神社に参拝し、中韓両国が強く反発。米国からも「日本の指導者が近隣諸国との緊張を悪化させるような行動をとったことに失望している」とのコメントが出て、外交面では四面楚歌に陥りつつある。日中関係の緊張感と中国内での反日ムードが高まれば、足元で盛り返してきた日本製自動車の販売にも影響が出かねず、経済面でのマイナスが目立ってくれば、株価と支持率の両面で逆風が吹きかねないだろう。このように消費税を起点にしたマイナスのインパクトは、大方の予想を覆して大きな影響を与える可能性がある。安倍首相は日経新聞とのインタビューで、新成長戦略を来年6月にまとめる方針を示したが、市場では「そんなのんびりしたテンポでは、失望を誘うのではないか」(外資系証券の関係者)との声が、早くも出ている。<金融緩和の成功体験>この1年の実績を振り返れば、日銀の異次元緩和の間接的な効果で、円安と株高が進み、日本経済に対する内外の見方が劇的に変化したことが「成功体験」として、安倍政権に認識されていると思われる。ピンチが予見されるなら、そのカードをもう1回、引いてみようという気持ちに傾いたとしても不思議ではないだろう。また、追加緩和を検討せざるを得ないほどの大きな影響が出てしまった場合、2015年10月の10%への再引き上げが「困難」と判断される可能性も出てくる。消費税率の再引き上げと追加財政出動の組み合わせという妥協策が、政府・与党内で検討されるシナリオが浮上することもあるだろう。このように消費税率と株価、内閣支持率は、来年のマクロ政策の先行きに深くかかわっていくと予想する。この3つの数字が絡み合って、2014年も金融政策と財政出動の「追加」という展開になっている公算が大きいのではないかと予想する。*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。
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