そら豆の株予報さんのブログ

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インターバンク総会での財務省幹部のスピーチ

東京インターバンク市場の関係者が一堂に会する「フォレックスクラブ」の年次総会が11日、丸の内の東京會舘で開催されましたね。世界フォレックスクラブという大きな集まりがありますが、その東京版として年に数回セミナーなどを開くこともあって、インターバンク市場発展のために長い歴史ある集まりとなっています。

 毎年、財務省や日銀など、いわゆる当局からの来賓がスピーチを行いますが、以前は日銀の介入などが頻繁に行われている最中などは、来賓の一言一句がヘッドラインで流れてきたりしたものです。今のようにスマホなどがなかった時代には、スピーチの終わらないころから、ディーラー達の出入りが頻繁に行われ、ロビーでディーリングルームに電話して取引の指示を出すチーフディーラーの姿が恒例となっていたものです。

 最近では、そういった必要性がなかったせいか、あまりそれ自身に脚光が浴びせられることはありませんでしたが、11日の来賓のスピーチには、「かなりのインパクトがあった」との声があちらこちらから聞こえてきていますね。

 GPIFの基本ポートフォリオの改善などを事実上指揮しているといわれている財務省幹部がスピーチしたようですが、報道されているGPIFによる海外インフラ投資などはもちろん、私的年金勘定(IRF)創設の構想などが語られたほか、国策相場としての日経平均やドル円のさらなる上昇を後押しするような発言が相次いだ模様。

 翌日12日に、本邦機関投資家がこぞってドル円を買っていったのは言うまでもありません。今後、長期的な年金資金の買いという大きな後ろ盾をもらった機関投資家にとっては、FOMCの量的緩和の評価ではありませんが、リスク資産を増加させることに対する「リスク」よりも、「効果」のほうがはっきりと上回ってきたと言えますね。

 本日のFT1面トップには黒田日銀総裁の毅然とした姿が写し出され、日銀がインフレ率2%に一時的に到達しただけではダメで、継続的な2%台のインフレ状況となるまでは、異次元の「量的・質的緩和政策」を続ける決意が語られています。財務省幹部のスピーチに加えて、黒田日銀総裁のFT1面記事という、内外の投資家に当局のメッセージを明確に伝えるための策が間髪を入れずに取られています。


<GI24より>
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