今日の東京市場は昨日の暴落翌日で、かつ、月末のお化粧買いがあったにも関らず、
大引けでは前日比185.51円高の13774.54円という水準で終わってしまった。
しかも、その日経平均の上昇分の内ファーストリテイリングが+36.04、ファナックが+25.23と2銘柄だけで3分の1.
その他にもKDDIの+13.21、ソフトバンクも+13.21、京セラの+10.01、東京エレクトロンの+8.61と
上位6銘柄だけで+106.31と57%を占め、上位10銘柄なら+129.99と約70%を占めてしまう状況であった。
これでは、相場全体の底入れというよりも一部銘柄へ集中投資して指数を無理に押し上げたという方が適切だろう。
朝方は予想通りに反発して始まり、一時は前日比300円を超えるレベルまで日経平均が上昇したが、
アジア市場が開き始める10時ごろにはあっさりと水準が下がり始めた。
また、昨晩の夜間のPTSで既に反発していた水準をずっと下回っていたり、
朝方はともかくその後下回るようになった銘柄も多くなっていた。
午後に入って日経平均の指数を底入れを思わせる水準としようとして
ファーストリテイリングやファナックを一気に買い上げて日経平均を押し上げようとする動きも見られたが、
それに追随することが多いトヨタやホンダの追随が長続きせず、
ファナックと同業種で値動きも活発な傾向にある森精機も追随といえるレベルまでの上昇が見られなかった。
こうした市場の中核を為すロングの買い主体が積極的に上値を追わない非常に弱い動きを見ていると、
日経平均の指数よりも更に弱気の相場展開になっているようにしか見えなかった。
さらに、この先直ぐに相場が反転して上昇に転じる上で重要視されていた下値抵抗線の確認として、
今日はボリンジャーバンドの-1σに当たる13830円辺りを超えて値を戻さないと
もう一段の下落を想定する向きが多いと今朝の時点で言われていたが、それを下回ってしまった。
となると、月と週が共に新たに始まる来週月曜日は、心機一転上昇相場と云うよりも、
もう一段の下落を意識しながらの売買を行う機関投資家が増えると思われるため、
ナンピン買いや底値を拾うつもりの買いを入れるのは主力銘柄に関してはリスクが大きくなってしまいそうだ。
政府は年金基金を用いた相場買い支えを狙っているようだが、これだけ市場参加者が弱気になっていると
相場の本格的な反転上昇は直ぐには生じないと見るしかないだろう。
相場の上下を見ながら、空売りも使って慎重に市場へ参加するか、慌てずに反転の兆しをずっと待つか、
そういう厳しい状況が続くと今日の相場を見て判断しました。