まはいさんのブログ

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ソフトバンク 決算説明会"ドコモ越え"の検証

4/30決算説明会←オンデマンド配信リンク
今まででいちばん短いプレゼンでした。
孫社長のプレゼンは不都合なことに触れないアジなので、触れなかったことに落とし穴が有るのが経験則です。
以前は翌日のアナリスト説明会で突っ込まれていたのですが、Sprint Nextel買収を発表してから定期的なアナリスト説明会が開催されなくなりました。

イー・アクセス
決算説明会のプレゼンで孫社長が回避したいちばん不自然な内容でした。
ウィルコムに触れながらイー・アクセスを回避するのは不自然です。
イー・モバイルはMNP流出が続いており、V字回復伝説を吹聴するには不都合なのでしょう。

国内営業利益1兆円

決算発表会なのに、いきなり新年度予想から始まりました。
検算してみましょう。
4/8IFRS任意適用により予想される影響←リリース・リンク
主にのれん償却の停止により営業利益が増加すると見込んでいると発表済みです。
ちなみに、IFRS移行日は2012年4月ですから、2013年3月期は過年度遡及会計基準を適用するのでしょう。
4/302013年3月期 決算短信←リンク
2013年3月期決算数値から、のれん償却だけ過年度遡及します。
営業利益    745,000百万円
のれん償却額    64,113百万円
遡及営業利益  809,113百万円

また、2012年3月期の営業利益との差分は69,717百万円です。
ガンホー公正価値評価益
評価法は不明ですが、上のコピーにあるように約1,500億円を計上するようです。
遡及営業利益  809,113百万円
ガンホー評価益 150,000百万円
    仮計  959,113百万円

ガンホーTOBは4月ですが、これを修正可能な後発事象として2013年3月期に連結判定すれば、2013年3月期の営業利益は9,591億円に書き換えることになります。
残り409億円で営業利益1兆円を達成しますが、阿里巴巴株式の公正価値評価益はガンホーの比ではないから、はるかに1兆円を上回るでしょう。
また、仮に阿里巴巴上場が遅れたとしても、2013年3月期は2012年3月期の営業利益との差分が697億円だったので、成長が著しく鈍化しない限り営業利益1兆円は固いでしょう。

IFRS導入効果でドコモ越え確実
質疑応答でSprint Nextel連結による営業利益の差分は約1,000億円と述べています。
買収が成功すれば営業利益9,000億円以上と言うことになります。

実力でNTTドコモを抜くのでは無く、モノサシを変えたから抜くだけです。
ただ、NTTドコモはFASB導入済みなので、ソフトバンクはほぼ同じモノサシになっただけです。
また、連結会計基準と過年度遡及会計基準のアサーション次第で、2013年3月期で既にNTTドコモを越えています。
ただ、既にドコモを越えていると言うとIFRSマジックがバレバレなので、孫社長は言わないでしょう。
しかし、継続的にソフトバンクNTTドコモの営業利益を超え続けることができるかは微妙です。
移動体通信事業以外での収益力、特にヤフーが貢献していますが、それだけで一時的なガンホー評価益が剥落した2015年3月期以降を埋めるのは難しいでしょう。
Sprint NextelをV字回復させるしかありません。

投資判断
阿里巴巴の公開が控えているから、現状の株価にリスクは無いと考えています。
数年のうちにSprint Nextelの業績がV字回復すれば、名実共にNTTドコモと時価総額で肩を並べるでしょう。
ただ、株価はそのことを先取りしているから、NTTドコモと時価総額で肩を並べるまでの上値余地は15%程度しか残されていません。
あと15%程度株価が騰がって5,500円くらいから利益確定の売却を開始します。
ただし、本格的にSprint NextelがV字回復の軌道に乗ればAT&Tを追いかける株価になり、軽く8,000円を超える皮算用になります。
5,500円くらいで売却するのは一部だけにします。    
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