yuhsanさんのブログ
年内1万円への道- その1
株価は、この1週間で343円上げ、いよいよ1万円が、誰の目にも見えるようになってきました。恐らく3割くらいの人は、年内1万円を考えているのかもしれません。 そう思う人が増えるにしたがって、1万円の壁は高くなります。もう一段の円安がない限り、壁は乗り越えられないと・・・。
「そうでしょうか?」
年内解散を条件として、「年内1万円説」を唱えた私として、再度その根拠と可能性について検証したいと思います。
断っておきますが、「株価は政治の鏡」が私の持論なので、これから先は、政治の話が中心になります。そうじゃないと思う人、または政治に関心のない方は、見てもあまり参考になりません。ご覧にならないことを強くお勧めします。
このシリーズは、3話完結で、今日はその第1回目。「松下政経塾と解散の時期」です。
野田総理が「近いうちに解散」を条件に、消費税引き上げを自公と約束したのが8月8日。以後、総理は、人気のない幹事長を変えずに離反者を抑え、内閣改造まで行ったのですが、支持率は落ちる一方。それでも、伸ばしに伸ばした臨時国会で、特例公債法を通過させれば、逃げ切れるというのが大方の見方でした。
それに対して、新総裁に就任した安倍総裁は、解散を「国民に対する約束」とし、解散しない総理の姿勢を「うそつき」と断じました。しかも世論まで「うそつき」総理と呼ぶ始末です。
野田総理は、名声に傷が付くよりも、松下政経塾に迷惑が及ぶことを心配しました。解散を引き伸ばせば、松下政経塾は、「うそつき」の養成学校とさえいわれかねません。
10月に、やはり塾出身の前原氏が「総理はまじめな人・・・」と言い出したのも、このような背景があったものと推定します。私はこの発言で、年内解散を100%確信しました。母校に傷をつけたくない気持ちは、塾生にとっては至上の思いなのです。
総理が解散を決断し、結果的に塾の名声に傷は付かなかったのですが、いいことばかりではありません。
政経塾はいうまでもなく、貧困から身を起こし、町工場を世界的大企業にまでにした松下幸之助氏が、70億もの私財をなげうって、政治家を育てるために開校した塾です。幸之助氏の遺志を継いで、多くの優秀な政治家が生まれました。中でも民主党に多く入党して頭角を現し、総理大臣にまで登り詰める人まで現れました。
一時は総理への最短コースとまで言われた塾ですが、民主党の政策が円高、デフレ志向だったため、経営の土台を支える家電産業が、韓国、台湾、中国との為替競争に敗れ、シャープは身売り寸前、パナも無配転落となってしまいました。
松下政経塾の経営にとっては、パナの株価下落と無配転落は大きな痛手です。年間数億は掛かると見られる経費は、多くはパナからの配当であることは容易に想像できます。当面は蛸足で生き延びられるでしょうが、ファンドが一度その資産を減らすと、後は雪だるま式に収縮してゆきます。
幸之助氏の崇高な遺産は、このような形で評価されるようになってしまいました。政権交代で、円安となれば、パナを始めとする輸出産業に恩恵を与え、政経塾にとっても経営の安定に貢献するといえそうです。まことに皮肉な結果です。
塾で無色の人を育てても、所属する政党を選ぶことで色がつきます。政治家は、塾ではなく既存の政党で、その理念や政策に合わせて育てるのが筋のような気がします。