坂本彰さんのブログ
大きく伸びると予測される業界は投資しない
仕事が終わった後に経済に関する本を読む機会が多いのですが
最近は「WORK SHIFT」という本を読んでいます。
内容は労働環境の変化についてで、2025年の予測を行っています。
読んでいて勉強になる点もありますが、個人的にこれはどうかな?
と思うこともあります。
こういった未来予測の本というジャンルは人気があるようで、
書店でも投資に関する予測本はたくさんあります。
日本に関する将来予測は残念ながら暗い内容が多く、中には
「崩壊」など過激な表現をタイトルにする本もあるようです。
私は楽観的なのでこういった本は読みませんが、今回は私の失敗談を
お話しようと思います。
それは「今後大きく伸びると予測される業界は投資しない」です。
どういうことかと言いますと、私は過去にジェネリック医薬品
メーカーとドラッグストアチェーンの株を保有したことがあります。
その理由は、今後日本は高齢化社会に入り医療業界は大きく伸びる
だろうと判断したからです。
それに加えてジェネリック医薬品は国の医療費抑制方針のもと
薬価改定でシェアを伸ばすだろうという予測もありました。
そのため、有望だと思った会社を保有したのですが・・・
結果的には3社とも損切をして終了いたしました。
その理由ですが、共通した要因は「価格競争」でした。
ドラッグストアの場合、市販の薬が主力商品になります。
他にも日用品や食料品、健康食品なども売られていますが、どの
ライバル店も同じような商品ばかりが売られているのです。
私の住んでいる街の最寄駅でも、駅前にドラッグストアは4店あり、
今年に入ってさらに1店オープンいたしました。
ドラッグストアに並んでいる商品は他店との差別化が出来ないため、
結局は価格競争に入ってしまいます。
風邪薬が欲しくなっても、どの店も同じ商品があり、また風邪薬
だけで何種類もあるのです。
これではいくら業界が伸びると予測できても、それ以上に業界内の
競争激化による利益率低下のほうが上回ってしまうのです。
私が言いたかったことは、今後数十年スパンで業界全体の売上、
規模は大きくなっても、その恩恵に与るのは消費者であり、株主
ではない、という教訓でした。
私の保有株も売上高は前年比で伸びても純利益ではマイナスと
なりました。
株価も下がり続けたため、保有株を損切しましたが、これもいい
経験になりました。