こういう趣向の京都本は今までになかったかと思う。
京都ファンは、黙って買うしかないだろう。
歴史や文学のストーリーを回想しながら、
現代と古代地図を用いて京都を散策できるという書籍。
つまり、京都で幾つものパラレルワールドを堪能できる仕組みになっている。
文学編だと、小野小町や紫式部、清少納言などの住んでいた場所、
墓がある場合は墓地などがすぐにわかったりする。
途中、六道珍皇寺にて閻魔大王と親友だったという小野篁(おののたかむら)が、
小野小町のおじいさんだったと知って、驚いたりする。
残念ながら伏見稲荷大社は特集されていないが、
清少納言の晩年の住まいが、近くにある泉涌寺(せんにゅうじ)だとわかったりする。
通り名の歌や京都の住所の読み方があったのも、嬉しい。
★「京の都 歴史を楽しむ」
川端洋之著 西東社 1,200円+税 2012.9.5第一刷
1章 京都7大重大事件
保元・平治の乱、応仁の乱、本能寺の変、鳥羽・伏見の戦いなど
2章 歴史をたどる
平安京の誕生、藤原氏の栄華(陰陽師の活躍など)、源平の時代(牛若丸伝説など)、
北山文化と東山文化、織田信長の上洛、秀吉がつくった京の町、
新撰組の登場、坂本竜馬の暗殺 / 京の花街
3章 古地図と絵で見る京都
4章 社寺をめぐる
京の三大社と祭、歴史を刻む社寺など
5章 文学をめぐる
源氏物語をめぐる、小倉百人一首をめぐる、方丈記をめぐる、徒然草をめぐる