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シェールガス


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%82%B9シェールガスオイルシェールを熱分解することで発生するガスについては「オイルシェールガス」をご覧ください。シェールガスの賦存(黒色部分)。シェールガスを含む頁岩層(Gas-rich shale)に水平にパイプを入れ、高水圧で人工的に割れ目をつくり、ガスを採取する。米エネルギー情報局(EIA)による主なシェールガス層の分布図。シェールガス(英語: shale gas)は頁岩(シェール)層から採取される天然ガス。従来のガス田ではない場所から生産されることから、非在来型[1]天然ガス資源と呼ばれる。アメリカ合衆国では1990年代から新しい天然ガス資源として重要視されるようになった。また、カナダ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアの潜在的シェールガス資源も注目され、2020年までに北米の天然ガス生産量のおよそ半分はシェールガスになると予想する研究者もいる[2]。 別の研究者は、シェールガス開発により世界のエネルギー供給量が大きく拡大すると予想している[3]。ライス大学ベーカー研究所の研究では、アメリカとカナダにおけるシェールガスの生産量の増加によってロシアとペルシャ湾岸諸国からヨーロッパ各国へのガス輸出価格が抑制されると結論付けた[4]。2009年の米中シェールガス・イニシアティブにおいてアメリカのオバマ大統領は、シェールガス開発は温室効果ガス排出量を減らすことができるとの見解を示した[5]。しかしその後シェールガスの温室効果ガス排出量が、従来の天然ガスや石油よりも大きくなるとの指摘が学会から上がるようになった[6]。目次  [非表示] 1 特徴2 環境問題2.1 水の汚染2.2 誘発地震3 経済性4 各国の動向4.1 アメリカ合衆国4.2 カナダ4.3 オーストラリア4.4 中華人民共和国4.5 インド4.6 欧州4.6.1 オーストリア4.6.2 ドイツ4.6.3 ハンガリー4.6.4 ポーランド4.6.5 スウェーデン4.6.6 イギリス4.7 日本5 脚注5.1 註釈5.2 参照5.3 参考文献6 外部リンク特徴 [編集]シェールガスを含む頁岩は、泥岩の一種で硬く薄片状にはがれる性質をもち、粒子が細かく流体を通す隙間がほとんどないので、自然の状態では天然ガスの商用資源とはなりえない。また、貯留層が砂岩である在来型の天然ガスと異なり、泥岩に貯留することから、コールベッドメタン(CBM)、タイトガスサンド、メタンハイドレートとともに非在来型の天然ガス資源のひとつとされている。 シェールガスの埋蔵エリアを資源プレイ[# 1]と呼ぶこともある[7]。資源プレイでは、ガスが発見されなかった場合の地理学的なリスクは低いが、ガスが発見され商用に成功した場合の期待利益も同様に低い。頁岩は浸透率が低いので、商用量のガスを生産するためには人工的にガス採取用のフラクチャー(割れ目)をつくる必要がある。過去、シェールガスは頁岩層に自然にできた割れ目から採取されていたが、2000年代に入ってから水圧破砕(英語版)によって坑井に人工的に大きな割れ目をつくってガスを採取する技術が確立し、更に頁岩層に接している坑井の表面積を最大にするために水平坑井掘削技術(英語版)という技法で10,000フィート (3,000 m)もの長さの横穴を掘ることが可能となった。これらの技術進歩の結果シェールガス生産量が飛躍的に増加しシェールガスブーム、シェールガス革命などと呼ばれるようになった。商業的数量のガスをもつシェール層は通常有機物に富んでおり(0.5% から 25%)[8]、石油根源岩でもある。頁岩の割れ目から高いガンマ線量が検出された場合、含まれる有機物の量が多いことが推定されるのでガス生産量が期待される。環境問題 [編集]2010年、コーネル大学環境学教授Robert W. Howarthは、メタンの温室効果を考慮するとシェールガスの温室効果は石炭や燃料油よりもシェールガスの方が強いとの研究結果[9]を報告した。メタンは天然ガスの約90%を構成し、二酸化炭素の21倍の地球温暖化係数をもつ強力な温室効果ガスである[10]。一方、天然ガスは化石燃料のなかで、同じ発熱量に対する二酸化炭素の排出量が少ない(石炭10:石油8:天然ガス6)[11]。水の汚染 [編集]水圧破砕には、一つの坑井に多量の水(3,000~10,000m3)が必要であり、水の確保が重要となる。また用いられる流体は水90.6%、砂(プロパント8.95%)、その他化学物質0.44%で構成されることから、流体による地表の水源や浅部の滞水層の汚染を防ぐため、坑排水処理が課題となる[12]。実際に、アメリカ東海岸の採掘現場周辺の居住地では、蛇口に火を近づけると引火し炎が上がる、水への着色や臭いがするなど)が確認されるようになり、地下水の汚染による人体・環境への影響が懸念されている。採掘会社はこれらの問題と採掘の関連を否定しているが、住民への金銭補償・水の供給を行っている[13]。こうした問題に関連したデューク大学などの調査では、着火しうる濃度のメタンが採掘地周辺の井戸水で検出されていることが明らかとなっている[14]。誘発地震 [編集]水圧破砕のために地中に注入された水が地震発生の引き金になっている事が報告されている[15]。2012年4月26日、朝日新聞の報道によればアメリカ地質調査所は米国中部でM3以上の地震の年間の回数が10年前に比較し約6倍になっているとしている。また2011年にはコロラド州とオクラホマ州でM5の観測史上の最大級の地震も記録された。メンフィス大学(University of Memphis)地震研究情報センター(Center for Earthquake Research and Information)の研究者は採掘後に戻し注入された水によって断層が滑り易くなっていると考えている[16][17]。経済性 [編集]2000年-2010年の天然ガス価格(Henry hub)の推移.シェールガスはアメリカ東部のアパラチア盆地とイリノイ盆地で100年以上前から生産されていたが、採算のとれる坑井はわずかであった。2000年前半になり天然ガス価格が上昇し、水圧破砕や水平坑井といった技術が確立したことでシェールガス生産はより高い収益をあげるようになった。シェールガス生産は、在来型天然ガス生産と比較してより費用のかかる技術を必要とするが、シェールガス田の低リスク性がコストを相殺し開発が拡大した。北アメリカはこうしたシェールガスの開発と生産において先駆者である。特にテキサス州バーネットシェール(英語版)が経済的に成功したことは、アメリカとカナダにおけるシェールガスフィールドの探鉱に拍車をかけた。各国の動向 [編集]アメリカ合衆国 [編集]詳細は「:en:Shale gas in the United States」を参照アメリカ合衆国での最初の商用ガス井は、1825年[18]にニューヨーク州フレドニアにあるデボン紀のフレドニア・シェール層から生産された。しかしながら、1859年のドレーク油田開発の後、ガス貯留層から大量の従来型天然ガスが生産されるようになるとシェールガス生産は一旦影を潜めた。1996年、アメリカ合衆国でのシェールガス生産は0.3TCF(兆立方フィート)で、天然ガス生産量全体の1.6%であったが、2006年には生産量は3倍以上の年間1.1TCF、同5.9%を占めるまでに増加した。2005年、アメリカ合衆国におけるシェールガス井は14,990坑におよび[19]、うち4,185坑は2007年に生産を終えている[20]。2007年には、全米の石油ガス田のうちバーネット(Barnet)が2位、アントリム(Antrim)が13位の生産量であった[21]。2010年6月のマサチューセッツ工科大学の研究では、将来天然ガスはアメリカ合衆国のエネルギー需要の40%(現在は20%)をまかなうようになると報告された。この理由のひとつとしてシェールガスの豊富な供給量があげられている[22]。カナダ [編集]詳細は「:en:Shale gas in Canada」を参照カナダのシェールガス原始埋蔵量は1000TCF程と推定され[23]、ブリティッシュコロンビア州、アルバータ州、サスカチュワン州、オンタリオ州、ケベック州、ノバスコシア州の各州で探査や開発が行われている[24]。オーストラリア [編集]アデレードの石油ガス会社ビーチ・エナジー(英語版)は南オーストラリア州クーパー盆地(英語版)でのシェールガス掘削計画を発表した。[25]中華人民共和国 [編集]詳細は「:en:Shale gas in China」を参照中国政府は、300億立方メートル(2008年の天然ガス国内消費量の約半分)のガスをシェールから生産するという目標を国内企業に課した[26]。ガスを含むとされる頁岩の層は、手つかずのまま中国全土に広く散らばって分布している[27]。2009年11月、アメリカ合衆国バラク・オバマ大統領は、米国のシェールガス開発技術を中国に供与し、中国でのシェールガス開発への米国からの投資を促進させることに同意した[28]。中国は2010年8月に国立シェールガス研究センターを立ち上げた。既存の報告によると、中国内にはおよそ30兆立方メートルのシェールガス資源が眠っているということである[29]。インド [編集]インドではリライアンス・インダストリーズ、リアイアンス・ナチュラル・リソーシズ、Genpactなどがシェールガス探査に関心を示している。 リライアンス・インダストリーズは、米国東部MarcellusシェールガスプレイにAtlas Energyがもつ権益のシェア40%を確保するために17億米ドル支払ったとされている[30]。欧州 [編集]欧州でのシェールガス生産はまだ始まっていないが、北米でのシェールガス開発が成功したことから、欧州各国の地質学者は自国内の頁岩層がシェールガス生産可能か調査し始めている。[31][32][33][34] ノルウェーの企業スタトイル社は、米国のシェールガス開発のノウハウを取得することを見込んで、米国東部のマルセラス層(英語版)のシェールガス開発に関し米チェサピーク・エナジー(英語版)社とジョイントベンチャーを組んだ。 2009年10月、ロシアの巨大エネルギー企業ガスプロムは、ロシアのシェールガス資源開発に利用可能な専門技術取得のため米国のシェールガス生産会社を買収する可能性があることを発表した。[35]米テキサス州のバーネット・シェール(英語版)では、フランスの石油メジャートタルがチェサピーク・エナジーとジョイントベンチャーを設立、またイタリアのEniはQuicksilver Resources社の株を購入した。 欧州におけるシェールガス層は、主にフランスの北西部[36]、欧州北部のアルム・シェール(Alum Shale)及びドイツとオランダにまたがる石炭紀の地層などに分布する[37]。オーストリア [編集]オーストリアのOMV社が、ウィーン近郊の堆積盆地での探査を行っている[26]。ドイツ [編集]米エクソンモービル社はドイツ北西部ニーダーザクセン州の堆積盆地に750,000エーカー (3,000 km2)のライセンスをもち、同所では2009年にシェールガス坑井10本の掘削が計画されている[38]。ハンガリー [編集]2009年、エクソンモービル社はハンガリーのMakó地溝にて第一シェールガス井の掘削を行った[39]。ポーランド [編集]2010年現在、ポーランドは天然ガス消費量の3分の2をロシアから輸入している。米コノコフィリップス社はポーランドLane Energy社と共同で[40] ポーランドでのシェールガス探査計画について発表した[41]。米マラソン・オイル(英語版)社は、シルル紀の地層を調査する目的でポーランド国内でのライセンスを取得した。[42]近年の報告では、ポーランド国内に大規模なシェールガス層があることが示唆されている。近年の調査によって最低でも3兆立方メートルの資源が存在すると推定されているが、仮にこれが確かな数字であるとすると、ポーランドには200年分以上のガス資源が埋蔵されていることになる[43]。こうしたシェールガス資源はEUの確定埋蔵量を大幅に押し上げ、ロシアからのガス輸入の重要性を下げるものである[44][45]。その後、2010年4月になりアメリカ合衆国エネルギー省のエネルギー情報局がポーランドには「少なくとも」5.3兆立方メートルのシェールガスが埋蔵されていると結論した[46]。これはほかの地域で発見されたシェールガス埋蔵量と比較して桁違いの数字で、ポーランド国内の天然ガス使用量のじつに300年分に相当する途方もない量となるが、これでも「少なく見積もって」の数値である。しかし、現在のシェールガス採掘技術では環境汚染が懸念されるため、ポーランドは本格的な採掘に関しては慎重な姿勢をみせている。スウェーデン [編集]ロイヤル・ダッチ・シェルはスウェーデン南部のアルム・シェール(Alum Shale)のシェールガス資源としての可能性を調査している。[47][48]イギリス [編集]イギリスのEurenergy Resource社は、イギリス南部のWeald堆積盆地でのシェールガス掘削予定であると発表した[49]。日本 [編集]日本は地質年代が新しく、シェールガスの商業生産は期待できない[50]。2011年5月9日、三菱商事がカナダ・ブリティッシュコロンビア州コルドバ堆積盆地で推進するシェールガス開発計画に、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、中部電力、東京ガス、大阪ガスが参画することが発表された。これはJOGMECとして非在来型ガス開発案件への初の資金支援であり、日本の電力会社・ガス会社がシェールガス事業への参画するのも本件が初めてである[51]。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%82%B9
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