Raguelさんのブログ

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アンバック救済は次への展開のトリガー?


2/22に米CNBCが報じたモノライン大手アムバックの救済策発表見通しによってナスダウ、シカゴ日経225は大きく戻しました。
モノラインという言葉や、バフェット氏によるモノライン救済策などの動きは聞いていましたが、恥ずかしながらモノラインとは何か、どういう問題があるのかについてはほとんど理解していませんでしので、今回少し調べてみました。

■モノラインとは
 金融商品の元利払いを保証するための保険会社。
 金融商品だけを対象にしているので「モノライン(単一)」と呼ぶ。

■モノラインの業務
 地方自治体が発行する債券である地方債や、金融機関が開発・販売する各種金融商品の保証。

■モノラインのシェア
 MBIA、Ambac(アムバック)、FGIC、FSAの大手4社でアメリカ市場のシェアの90%を占める。
 2003年12月末のシェア(かなり古いデータですが、概略わかればOK)
 MBIA  5410億ドル、32%
 アムバック 4259億ドル、25%
 FSA   2944億ドル、17%
 FGIC  2068億ドル、12%

■サブプライムローンとモノラインの関係
 サブプライムローン(が組み込まれた各種の金融商品)もモノラインの補償対象なので、これらの支払不能増に伴って補償額(支出)が増えた。

■モノライン格付低下の影響
 モノライン企業が格下げになる
 →保証の信頼性が低下
 →金融商品の信頼性が低下
 →金融商品の評価損が増加
 →金融商品を保有する金融機関の損失拡大
 →金融不安、金融システム危機、景気減速

モノラインの格付問題というのは、サブプライムローン問題の根の深さ、影響範囲の広さを端的に示しているものなんですね。
今回のアンバック救済措置に関しては、その内容が現時点では判らないところが残念です。

いずれにしても、金融不安懸念は徐々に後退し、変わりに景気後退懸念がより強く意識される状況になるでしょうし、実際にそのようになりつつあると感じています。

もしそうであれば、恐怖感によるパニック的な売買は減少し、瞬間的な価格の上下動は小さくなる。これはボラティリティの低下につながるので、これを監視していけばある程度判断することはできるでしょう。
一方で景気後退の度合いを投資家が判断しようとするときには、恐怖ではなく理性に基づくので時間がかかる。一般的な形としてはいわゆるダラ下げになりやすいように思います。
ただし、今回の場合はどうでしょうか。
ここまで金融不安という恐怖心理から大幅な下落を続けてきた結果、景気後退による企業業績の悪化に関しては、すでに大部分を株価に織り込んでしまったのではないかという気がします。これを確認するにはEPSやPERが使えそうです。
2/22時点の世界の株価指数の予想PERを見ると、次のようになっています。

日経225 15.70%
ダウ   13.41%
ナスダック 20.88%
FT100 11.22%
DAX   10.88%
CAC   10.55%
上海総合  26.36%
ムンバイ  20.36%
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これだけ暴落しても日経平均のPERが欧米諸国に比べて依然割高である点に意外な印象を受けますが、半年前に比べれば各国とも相当に割安な水準になってきていることは間違いありません。
例えば日経平均の場合、現在の予想EPS(860円)が景気後退懸念を織り込んだものと仮定してこれを固定し、PER何倍が適当かを自分なりに想定して日経平均を計算することができるでしょう。

結論としては、日経平均は目先14000円を試す展開になるという考え方に個人的には賛成。アンバック救済策がまともなものであることに賭けて、月曜日は幾つかの銘柄を買いに行こうと考えています。

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