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ブラジル中銀が予想外の利下げ、世界経済の悪化理由に政策転換 【ブラジリア 31日 ロイター】 ブラジル中央銀行は31日、政策金利を12.50%から12.0%に引き下げた。同中銀は先月まで5回連続で利上げしてきたが、世界経済およびブラジル経済の鈍化を背景に、利下げに転じた。ブラジル中銀が利下げするのは2009年7月以来。
ロイターがアナリスト20人を対象に行った調査では、全員が据え置きを予想しており、予想外の決定となった。
金利先物市場でも、金利据え置きあるいは25ベーシスポイントの利下げが織り込まれており、利下げは投資家にとっても意外な決定だった。
中銀によると、利下げは5対2の賛成多数で決定しており、金融政策委員会内部でも見解が分かれたことが明らかになった。
中銀はこれまでの利上げから一転して利下げした理由について、世界経済の見通しが著しく悪化し、成長鈍化局面がこれまでの予想以上に長期化する可能性が高まったためだと説明。さらに、貿易や投資フローの悪化、信用のひっ迫がブラジル経済に悪影響を及ぼす恐れがあると指摘した。
ブラジルでは世界経済の減速や金融市場の混乱などにより、昨年の7.5%のような高い成長率を維持するのは困難になっているが、多くのエコノミストは、中銀はインフレ圧力を懸念しており、利下げはできないだろうとみていた。
しかし、中銀が今回利下げに踏み切ったことで、インフレが制御できなくなるのではないかと懸念する声も出ている。
金融政策委員会はインフレのリスクバランスが「より好ましくなった」と指摘したが、ブラジルでは労働市場のひっ迫で物価上昇圧力が高まっている。
野村証券の中南米担当ストラテジスト、トニー・ボルポン氏は「大きな誤りだ。中銀は政治的な圧力に屈した」とした上で、「中銀は2008年のような状況を想定して賭けに出たが、中銀はそもそも賭けなどすべきではない。 利下げの結果、インフレ率は大幅に上昇し、中銀に対する信頼感が損なわれる。中銀はあと数回利下げし、その後は利上げに転じるだろう」と述べた。
レイモンド・ジェームスのチーフエコノミスト、マウリチオ・ロサール氏も「やや時期尚早だったと思う。今後の見通しをめぐる状況が急速に悪化したとの判断には同意するが、悪化の程度を正確に評価しているかどうかが問題だ。今後政策金利は予測が難しい、不安定なツールとなるだろう」との見方を示した。
ブラジル政府は最近、利下げを求めて中銀への圧力を強めており、ルセフ大統領は今週、年内いっぱい歳出に関する規律を維持する方針を表明し、主要国で最高水準にある金利の引き下げに向けた環境を整えていた。
エコノミストは、消費が失速している上、製造業セクターもレアル高に苦しんでいるとして、今年の国内総生産(GDP)伸び率見通しを3―4%に引き下げていた。
世界経済見通しが悪化する中、今回の利下げは、中南米諸国の金利見通しの急激な変化につながる可能性がある。8月初め時点では、市場は金利が引き上げられると見込んでいたが、現在はブラジル、チリ、メキシコで金融政策見通しが緩和方向にシフトしている。
ただ、政府は全般的な景気減速を食い止めようと努める一方、インフレ抑制も目指しているため、金利市場が不安定な動きとなる可能性が出てきた。
2011/09/01 11:42
ブラジルは利下げですね!それでも12%です。まぁ!高い金利なことですね!
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