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ドルが対ユーロで1カ月ぶり安値更新、米格付け不安や米景気懸念で












  6月3日(ブルームバーグ):午前の東京外国為替市場では、ドルが対ユーロで約1カ月ぶり安値を更新している。米国債の格下げに対する不安や米国の景気減速への懸念がドルの圧迫材料となっており、ドル・円相場もドルじり安の展開となっている。

  午前10時11分現在のユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.4489ドル前後。一時は1.4518ドルを付け、5月6日以来のドル安値を塗り替える場面が見られている。

  ドル・円相場も1ドル=81円ちょうど前後から一時、80円67銭までドルが軟化。足元では80円70銭前後となっている。

  みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、米国の金融緩和継続見通しがくすぶる中、もともと全般的なドル安局面が続いていたところに、「米国債の格下げリスク」が悪材料として追加される格好になったと説明。その上で、この日は米雇用統計の発表を控えて、市場の予想も切り下がる状況下で、「ドル安に行きやすい」展開を見込んでいる。

  ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、5月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比で16万5000人増加したと見られている。4月は24万4000人増だった。5月の失業率は8.9%と前月から0.1ポイント低下する見通し。

            米景気減速懸念

  米国ではこのところ予想を下回る経済指標が相次いでおり、雇用統計についても下振れの可能性が警戒されている。

  ゴールドマン・サックス・グループは1日、5月の非農業部門雇用者数の予測を10万人増と、従来の15万人増から下方修正した。シティグループは17万人増から10万人増へ引き下げた。

  景気減速懸念を背景に米10年債利回りは年初来の最低水準に低下し、1日には3%を割り込んだ。一方、2日には米国債の格下げ懸念から米国債相場が反落。10年債利回りは3%台を回復した。

  ホイヤー米民主党下院院内幹事は2日、米ムーディーズ・インベスターズ・サービスが法定債務上限の引き上げ交渉で進展がなければ、米国債の「Aaa」格付けを引き下げ方向で見直すと発表したことについて、同社の警告は民主、共和両党が引き上げで行動する必要があることを明確にしていると述べた。

  米下院は5月31日、連邦債務の上限を2兆4000億ドル(約194兆円)引き上げる法案を否決。米財務省は1日、連邦政府の借り入れ権限が8月2日で失効するとあらためて強調した。

  林氏は、来週開かれる欧州中央銀行(ECB)の政策理事会では、域内インフレ率の高止まりを背景に「7月以降の利上げ姿勢を変えない」ということが確認される見通しにあると指摘。このため、ユーロ買い・ドル売りの圧力が掛かりやすいとみている。

  ユーロ・円相場はギリシャの追加支援への期待などを背景に海外時間に1ユーロ=117円台を回復。3日早朝にかけては一時、117円38銭までユーロ買いが進み、足元では117円台近辺で推移している。

  欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)当局者らは、ギリシャ救済第2弾の合意に向けて、同国が計画する780億ユーロ相当の国家資産売却と財政緊縮策の審査をきょうにも終える見通しだ。

  ギリシャのパパンドレウ首相は欧州時間の3日午後3時(日本時間午後10時)からユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相)と会い、審査結果について協議する。

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